私たちは学校でも家庭でもお金の教育を受ける機会はほとんどありません。
小さい頃から無条件にお小遣いを与えられたり逆に全く与えられなかったりと、労働と報酬の仕組みすら知らないままいきなり社会に放り出されてしまいます。
そしてお金というものの性質を知らず、バイト代を稼いで使って、社会人になってから給料を稼いで使ってを繰り返します。
その結果お金のやりくりに苦しみ、なぜ苦しむのかさえ分からないまま生きていることがほとんどです。
さて本記事では「20代で理解しておきたいお金に関する知識」について概論的に触れていきます。
各知識を大きな項目で分類し、更に掘り下げた記事をまとめたらリンクを貼るスタイルでやっていきます。
経済学の教科書のような難しい内容は一切出てきませんので安心して読み進めてください。
本記事を読み終わる頃には、あなたはご自身の知識量とマネーリテラシー(お金の知識とそれを活用する能力)の大切さに気付き、今現在何をすべきかが見えてくるはずです。
長い人生の一歩を踏み出す角度が今少しでもズレていたら、10年20年先には目的地から遠く離れたポイントに行き着いてしまいます。
本記事が、あなたが本来向かうべき目的地への道しるべになれば幸いです。
お金は単なる引換券
世の中には色々な言説があります。
曰く、「お金こそすべてだ」、「お金でしかモノを見れない人は可哀想」、「お金があれば何でも買える」、「お金で買えない人の愛こそ至上だ」。
これらは全て間違った考え方です。
お金はあくまで価値への引換券であって、善悪や優劣はありません。
ただ使う側の色によって染まるだけです。
唯一言えることは「お金が無ければ受け取れない価値やサービスがこの世に存在する」ということです。
是非、お金に対してフラットに考えてください。
お金儲け至上主義に走るのでもなくお金儲けが卑しい行為とも考えず、ただお金というのは生活や人生の選択肢を広げてくれる引換券であると認識してください。
お金を稼ぐことに対して過剰な欲求や嫌悪がある方は、彼ら自身を取り巻く環境やその過去に何か原因があるだけです。
繰り返しますがあくまでお金は価値への引換券であり無色のものです。
この原則は今は分からなくてもどこかで納得できる時が来ますので、その時まで頭の片隅にでも置いておいてください。
人生の意味とお金の役割
いきなり哲学的な話になって申し訳ないですが、あなたは自分の人生に何の意味を持ってどんな目的やゴールを描いて生活していますか?
人生の意味や目的というのは人それぞれです。
「たくさんの子や孫に囲まれて幸せなおじいちゃんおばあちゃんになりたい」でもいい。
「好きな趣味や仕事を生涯続けたい」でもいい。
「田舎で自然に囲まれて自給自足の生活を送りたい」でもいい。
「世界の真理をひとかけらでも明らかにしたい」でもいい。
もしあなたが人生の意味がまだ見つけられていないのならば、ぜひ一度自分の内面と向き合ってみてください。
そこで見つけた意味にはあなたにとって価値があり、他人にとやかく言われる筋合いはありません。
まだあなたが人生の意味を見つけられていないなら、将来に色んな選択肢の可能性を残せるような生活をするのは理に叶っているでしょう。
子どもがどのような夢に向けても発進できるように小中高とまんべんなく勉強するのと同じです。
さて、人には大切な資産がいくつかあることをご存知でしょうか。
その資産とはお金・健康・人・時間です。
その中でもお金というのは一番コントロールしやすい資産です。
別にお金持ちにならなくても構いませんが、お金に困っていなければ選べる道は多く残ります。
お金がある=幸せではありませんが、お金がある=幸せを実現しやすいと捉えてもらえばいいのかなと思います。
お金は貯めるのではなく増やすもの
まずあなたはお金というのは頑張って貯めるものという認識を持っているのではないでしょうか?
そして貯めたお金は必要な物や欲しい物を買って消費して、足りなくなったらまた貯める。
労働者として正解ですが、資本主義である日本では限りなく不正解に近いお金の使い方です。
少なくともお金に好かれる使い方ではありません。
さて急に出てきた資本主義という言葉ですが、これは持つもの(資本家)が持たざるもの(労働者)の労働力を使って利益を上げていく経済思想のことです。
お金という資本は次なる資本を生み出す力を持っています。
そのお金を全て消費に回すというのは、例えて言うなら来年のお米を育てるための種もみまで食べつくしてしまう行為です。
世の中は資本家が有利になるように出来ています。
これが今の社会のルールなのです。不満がある場合は革命家になるしかありません。
ゲームのルールを理解してよりお金を得ようとするならば、種もみまで食べてはいけません。
来年の収穫からまた再来年分の種もみを今年よりちょっと多く分けておくべきです。
そうすれば年を重ねるごとに時間を肥料にしてお米の収穫量が段々と増えていきます。
労働と報酬
労働と報酬について考えてみましょう。
あなたはきっと現在も何かしらの労働をしてその対価として給料(報酬)を受け取っているでしょう。
労働になぜ対価が支払われるかというと、その労働が社会の役に立つからです。
社会の役に立たない労働、例えばあなたが自宅の屋根の雪かきをしたとしても社会は一切の報酬を払いません。
あくまで社会の役に立ち価値を生み出した対価として給料は支払われます。
そして労働は倍率がかかりません。
よく仕事をこなす人を指して「3人分の働きぶり」などと表現されることはありますが、現実には3人はおろか2人分の働きすらほぼ不可能です。
全力で働いて1.5人分の生産性を出したとしても支払われる報酬は最大でも1.5人分、多くは1.1人分程度が限界でしょう。
労働はあくまで、あなたが持っている労働時間を切り売りしているものという認識をしてください。
この考えがあると、自身の給料が労働に見合っているものかどうかが理解しやすくなります。

もし生産性(働き方)によって給料を上げたいと考えるならば、インセンティブが大きい業種や営業職などの部門に転職するのも手です。その代わり基本給は低めで弱肉強食の世界になります
貯金と投資
日本人は貯金が大好きと言われています。
実際にそうでしょうね。
私も一般市民として生きてきて貯金額を気にする人はいても投資をしている人にはほとんど出会ったことがありません。
貯金は決して悪いことではありませんが、現代の日本社会ではお金を持つための最適解からは程遠い行為です。
「稼ぐ→消費 or 貯金」という凝り固まった考えは捨て去るべきです。
現時点(2021年)でのお金持ちになるための最適解は、「稼ぐ→最低限を貯金して残りを消費と投資に振り分ける」です。
投資というたった1つの選択肢が増えるだけで明日からのあなたの人生は劇的に変わります。
貯金と投資についてもう少し深く知りたい方は下の記事も参考にしてください。
生活とリスクを把握する
あなたは人生で最低1回は家計簿を付けたことがあるでしょう。
その目的はきっと「無駄遣いを減らす」ということだったはずです。
今度家計簿を付ける時は、それに加えて「生活の収支を把握してリスクを管理する」という視点を持ってみてください。
生活や収支というのは常に一定ではなく上にも下にもブレることがあります。
臨時ボーナスが出たり、転職活動で一時的に無収入になったけど結果的に年収が上がった、仕事をクビになった・辞めざるを得なかったなどなどのイベントですね。
そして生活の収支が下ブレした時に現在の家計収支や貯金で一体どのくらいの期間耐えられるかを考えてみてください。
我々は自分の生活が破綻しないようにリスクを管理する必要があります。
生活リスクを管理できるのは今の自分の生活を把握できている人間だけです。

この生活リスクの管理に特化した職業が「ファイナンシャルプランナー(FP)」です。よく分からんけどなんかカッコ良さそうなFPもやってることはシンプルなんですよね
じゃあ自分の生活を把握するためにはどうすればいいのか。
そう、家計簿を付ければいいんです。
ちなみに家計簿を付けるためには「マネーフォワードME」をおすすめします。
適正な家賃の算出方法は以下の記事を参考にしてください。
価格と価値
何かモノやサービス、経験を買うという消費行動は私たちが満足した人生を送る上でとても大切です。
消費をせずに霞を食べて生きる仙人のような生活を私は決して推奨しません。
人が人らしく文化的に生きていく上で消費行動はすべきです。
ただ、大切なのは「なぜ自分はこのモノ・サービスを消費したいかを考える」ということです。
世の中にはお金を消費させるような仕組みが無数にできています。
お笑い芸人の春日さんのように節約することに楽しみを見出しているような人ではなければ、必ず「欲求の価格>財産」となります。
その欲求の中で「自分の大切な財産を消費するに値するモノやサービス、経験は何か」ということを常に自分に問いかけるようにしてください。
そうすれば徐々にその価格と価値が見合っているかが分かるようになっていきます。
例えば今の自分には少し痛い出費だけど10,000円の満足できる商品を買うことはあなたの人生にとって価値ある消費の仕方です。
逆にもし100円程度の出費が痛くも痒くもないゴミを買ってしまったらそれは恥ずかしく思うべきです。
なぜならその消費行動は価値に見合わない価格でその商品を買ってしまった自分の眼力が無いことに他ならないからです。

要はボッタクられた、要らないものを買わされたってことですね
逆に価格以上の価値のものを購入あるいは消費した時は自分を褒めてあげてください。
この作業を繰り返していたら、いつしか呼吸をするように自分にとって価値のあるものだけ消費できるようになります。
実は世の中の商品のほとんどを我々消費者は”買わされて”います。
そして大多数の人間は自分が買わされたことにすら気付けずにいます。
大切な資産を消費するからには自分で価値を認めた商品を”買い”たいですよね。
今この事実を知ったあなたはきっと明日から価値のあるものを買えるようになっていくはずです。
まとめ
- お金は単なる引換券
- 人生の意味とお金の役割
- お金は貯めるのではなく増やすもの
- 労働と報酬
- 貯金と投資
- 生活とリスクを把握する
- 価格と価値
以上いかがだったでしょうか。
中にはうっすらと知っていた内容もあったかもしれません。
ただ、冒頭にも述べたように我々はまともなお金の教育を受けずに社会に放り出されます。
その中でお金に関する知識やそれを活用する能力=マネーリテラシーを身に付けることで、漫然と貯金と消費を繰り返す人たちとは一線を画す生き方ができるようになります。
そしてお金の性質や現代の社会の仕組みを理解できた時には、今度は周りの大切な方に教えてあげてください。
本記事によって1人でも多くの若い社会人がマネーリテラシーを身につけ、人生が彩られるお手伝いができれば幸いです。

では次の記事でお会いしましょう!

またな
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