近年ネット証券会社の口座数は右肩上がりに増えていっています。
マネーリテラシーの向上もあるとは思いますが、大きな影響を与えたものはやはりつみたてNISAでしょう。
当ブログでもお伝えしている通り、つみたてNISAはとてもおすすめできる制度です。
では実際に今からつみたてNISAを始めるとして、どこの会社の何の商品を選べばいいのでしょうか?
全てを網羅するのは難しいですが、ざっくりとした投資商品の選び方とその中のおすすめ商品4つをズバリ解説していきます。
なお、投資は全て自己責任で実施してくださいね。
つみたてNISAとは
つみたてNISAとは毎年最大40万円×最長20年間=最大800万円の投資が非課税となる制度です。
現時点で投資可能期間は2042年までとなっています。
通常は投資信託やETFの収益に対して20.315%の課税がされるため、これが全くかからないというのは資産形成にとって非常に有利であることがお分かりいただけるのではないでしょうか。
つみたてNISAはあなたが選んだ証券会社であなた専用の証券口座を開設し、その証券会社が取り扱っている投資信託やETFの金融商品を選んで運用します。
つまり、銀行貯金とは違い非課税なだけであってあくまで『投資』であることを念頭に置いてください。
運用の仕方によってはマイナス(例:100万円投資して10年後に90万円になってしまった)が出ることもあります。
つみたてNISAを最大限活用するために、夫婦で2口座+子どもで1口座など世帯の中で複数口座の運用をしている人もいます
投資信託やETFってなぁに?
投資信託とは、「たくさんの個人投資家(あなたを含む)から集めたお金をプロ集団(ファンドと言います)が運用して、勝ったら出資した金額に応じて利益を山分けしますよ。勝っても負けても手数料はもらいますけどね」という仕組みです。
さてここからがややこしいんですが、ETFも投資信託の一種です。
厳密には投資信託とETFって並列の関係ではないんですよね。
ただしETFは投資信託と違い商品そのものが株式市場に上場しています。
※ETF=Exchange Traded Funds=上場投資信託
細かな違いはいっぱいありますが、とりあえず「投資信託は色んなところで買える!ETFは証券会社でしか買えない!」と覚えておいてください。
つみたてNISAを始める時に証券口座を開設しますので、あなたは投資信託でもETFでもつみたてNISAの対象商品であれば買えますからその点は安心してください。
要はつみたてNISAの話だけなら投資信託やETFの違いは気にしなくてOKってことです。
証券会社選び
世の中には色々な証券会社があります。
代表的なところでは「SBI証券」、「楽天証券」、「LINE証券」、「松井証券」、「マネックス証券」辺りでしょうか。
「証券会社 おすすめ」でググって2−3個ランキングを見ていただければ分かる通り、現在は「SBI証券」と「楽天証券」の二強になっています。
この二社はこれからつみたてNISAを始めようとする投資初心者だけでなく投資上級者もガンガン口座を作っています。
選ばれる証券会社には選ばれるだけの理由があります
どの証券会社を選ぶのかで悩んだら「SBI証券」か「楽天証券」のどちらかを選んでいただければ間違いありません。
ちなみにSBI証券は日本個別株を売買できるSBIネオモバイル証券とSBI銀行口座を通じて連動できるのが強みですね。
楽天証券は楽天経済圏に入っている方なら最大限の恩恵を受けられます。
手数料や使いやすさは甲乙つけ難いですが、現時点ではSBI証券がハナ差でリードしている状態です。
なめくじはつみたてNISAは楽天証券、米国ETF取引はSBID証券と使い分けています。妻はSBI証券でつみたてNISAを始めています
初めての証券会社選びについてはコチラの記事を参考にしてください!
口座を開設する
口座開設を申請してから実際の運用開始まで、数日〜1週間程度の時間がかかる場合もありますので注意してください。
つみたてNISAの投資信託またはETFを選ぶ
つみたてNISAの投資信託やETFの商品一覧はこちらです。
見ていただきました?萎えますよね。分かります。
でも大丈夫です。
商品の選び方の解説の後に「悩んだらこれを選べ」というおすすめ商品も紹介します。
地域で選ぶ
まずすごくざっくりと地域を選んでしまいましょう。
選択肢は①全世界、②米国、③日本、④先進国、⑤新興国です。
イチ推しは①全世界もしくは②米国です。
2個じゃねーか
投資の世界では『リスク分散』というものをとても大切にします。
つまり地域Aだけに投資してAが内戦勃発などで事故った場合には株価大暴落の憂き目を見ます。
その時に、もし遠く離れている地域Bにも半々で投資していればAのマイナスをBのプラスで相殺できますね。
こうやって投資先を細かく分けていくのを『リスク分散する』と言います。
では先にあげた①から⑤ではどれが一番分散できるでしょう?
そう、①全世界ですね。
つまり①全世界は非常にリスク分散の効いた、いわば一番守備力の高い投資先になります。
そうすると逆に②米国や③日本がリスク分散できていない危険な投資ということが理解できると思います。
ではなぜなめくじは②米国もイチオシに入れたのでしょうか?
その答えは米国金融市場の強さにあります。
アメリカはよく「世界の警察官」と言われるほど影響力の強い国ですが、金融市場も例外ではありません。
アメリカの金融市場はとても発達しており、また各企業にも「会社の利益は株主のもの」という意識が徹底されているせいか長期スパンで見ると株価が右肩上がりを続けています。
あまりにもアメリカの影響が強すぎるので、もし仮にアメリカの株式市場が大暴落を起こしたとしても日本を含めた他国の株式市場も道連れになる運命にあります。
アメリカ発の大暴落である「リーマンショック」時も日本市場は簡単に燃えました
「どうせ暴落時に道連れになるんなら成長の恩恵を一番受けられる米国投資に集中する」
これが投資家に強く支持されている選択肢の一つです。
③日本は正直に言うと全くおすすめできません。
アメリカの道連れになるくせにプラスの影響を受けにくいからです。
なめくじも日本国民ですので日本企業を応援する③日本投資をしたいんですが、あまりにも貧弱過ぎて選択肢に入りません。
地雷と思ってください。
④先進国は①全世界と②米国の中間みたいなものです。
ここはあなたの将来のリスク許容度に応じて使い分けていただければと思います。
コロナ禍で意外とフランスが健闘していることもありますし、今後の世界情勢の展開によってはある程度の守備力を確保しながらも十分なプラスが得られるかもしれません。
⑤新興国はギャンブル性の高い投資先になります。
これから経済が成長する新興国は一気に株価が上がる可能性が高い反面、デフォルトなど暴落リスクをいっぱい抱えています。
新興国に集中する投資はとてもスリリングな結果をあなたにもたらしてくれるでしょう。
インデックス(株価指数)が商品名であることも
投資商品の中には地域名が無く、インデックス名がいきなり記載されているものがあります。
インデックスとはその国の株式市場で作り出される株価平均値みたいなものです。
日本では日経平均やTOPIX(トピックス)が有名ですね。
意味は知らずともニュースで絶対に耳にしたことがあるはずです。
インデックスは1つの国に1つと決まっている訳ではなく、むしろ複数あるのが普通です。
オススメしたいのはやはり俺たちのアメリカが誇るインデックスであるS&P500もしくはNY(ニューヨーク)ダウです。
日経平均とかTOPIXとか日経225とか書いてあるものは日本のインデックスなので全部無視でOKです。
運用会社を考慮に入れる
もしあなたが「三井住友が信頼できるから」や「大和系列なら安心」といったお考えがあれば、運用会社で選んでいただくのも手です。
ただし、運用会社によって信託報酬(手数料みたいなもの)のパーセンテージが異なりますので十分注意してください。
つみたてNISAの対象となる商品はボッタクリ投資商品が紛れこまないように国が指導していますので基本大丈夫ですが、それでも細かな信託報酬の違いは後になるほど効いてきます。
つみたてNISAは大部分の方が10-20年スパンで投資を予定されていると思いますので、信託報酬のわずかな違いをくれぐれも侮らないようにしてください。
結局どれを選んだらいいの?
そんなあなたになめくじのおすすめをご紹介します。
- SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
- SBI・V・全米株式インデックス・ファンド
- eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
- eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
これらは信託報酬が0.1%前後と日本の投資信託の中では頭抜けて低いことが特徴です。
全世界に投資したい場合は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」を選ぶといいでしょう。
これは投資家界隈では「オルカン」と呼ばれ親しまれているくらい根強く支持されています。
米国に投資したい場合は「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」、「SBI・V・全米株式インデックス・ファンド」もしくは「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」を選ぶといいでしょう。
全米株式とS&P500の違いは、前者が米国株式市場にある全ての株を購入する投資信託で後者がその内の代表的な500社の株を購入する投資信託ということです。
S&P500は大型企業の株のみを選んだインデックス(株価指数)なので安定性がある反面、急成長した小型株の恩恵は受けにくいという側面もあります。
ざっくりと言うと米国買いの中で全米株式が攻撃寄り、S&P500が守備寄りと思っていただければそう間違ってはいません。
この4つの商品から選んでいただければ大外れは無いとなめくじは考えていますが、最初にお伝えした通り投資は自己責任ですので失敗しても責めないでくださいね💦
なお、上2つのSBIと名がつく投資商品はSBI証券でしか購入できないものと思ってください。
これらを買いたい方は必然的にSBI証券で口座を開設することになる訳ですね。
「そんなん早く言ってよ〜もう他の証券口座開いちゃったよ〜」って方でも大丈夫です。
実際に運用するNISA口座が一つ限定なだけで証券口座自体は各証券会社ごとに開設可能です。
すでにつみたてNISAを開始している方でも、少し手続きがややこしいですが証券会社の変更は可能ですので安心してください。
ちなみに2022年1月17日よりSBI・Vシリーズの全世界株式ファンドが発売されるようですが、これがつみたてNISAの対象商品となるかは不明です。
なめくじはeMAXIS Slim米国株式(S&P500)を選択しています
最後に
ここまでお読みいただきありがとうございます。いかがだったでしょうか?
本記事の内容はすでに投資を勉強して始めている方にとっては正直当たり前過ぎるくらいの内容かもしれません。
ただ、その投資家にとって当たり前の知識が備わるまでが大変なのです。
野生動物が生まれたての赤ちゃんが一番命を落としやすいように、投資を始める直前・直後の方が一番海千山千の猛者に食いつかれやすいのです。
本記事は、せっかくつみたてNISAを始めようと行動し始めたあなたがしんどい道を選んで脱落してしまわないために書きました。
本記事の内容が正解かどうかは誰も分かりませんが、なめくじの持つ知識の中で一番無難かつ安全な道をお教えしたつもりです。
本記事以外の選択肢を選んでいただくのももちろん良いと思いますが、引き続きしっかりと勉強してチャレンジしてくださいね!
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