2024年1月から始まる新NISAをどうするか、悩んでいる方も多いかと思います。
本記事では新NISAをあなたがすべきかどうか、制度が始まる前に知りたいメリットとデメリットというテーマで解説します。
将来のことを考えて資産運用をしたいけど、投資でお金が減ってしまうことも怖い…。
こういった不安を抱えている方や安全に資産形成をしたいという方は、最後まで記事を読み、新NISAがご自身に向いているかどうか考えてみてくださいね。
新NISAのデメリット
まずは多くの人が漠然とした不安を持っているであろう、新NISAのデメリットから解説します。
新NISAのデメリットは以下の通りです。
- 元本保証の制度ではない
- 短期投資に向いていない
- 一部の投資商品を選べない
- 損益通算と繰越控除ができない
- 最速組とカチ合うと高値掴みする
- 旧NISAの投資成果を引き継げない

順番に解説していきます
①元本保証の制度ではない
まず絶対に理解しておきたいことは、新NISAは元本保証をする投資制度ではないということです。
新NISAの対象となっているのは上場株式や投資信託などであり、その全てが元本割れを起こすリスクを持っています。
一方で金融庁資料によれば、20年の長期投資をした過去データでは一切の元本割れ事例はありませんでした。
1つは元本保証ではないこと、もう1つは元本割れを極力避けるためには20年以上の長期保有を考えることが新NISAで重要なポイントとなります。
②短期投資に向いていない
新NISAは長期目線での投資を前提とした制度ですので、原則として短期投資には向いていません。
仮に短期で売却して非課税利益を手に入れたとしても、その金額分の投資枠が復活するのは翌年です。
その枠で得られたはずの逸失利益や非課税利益の複利効果を考えると、意図的な短期売買は得策と言えません。
③一部の投資商品を選べない
新NISAでの投資商品は、長期保有に向いていないものを金融庁が弾いて選定しています。
そのため、人によっては欲しい投資商品を新NISAで投資できなかったり、一部の枠でしか投資できない場合があります。
④損益通算と繰越控除ができない
一般的な株式投資では、その年での投資による利益と損失を相殺して税金を減らすことができます。

これを損益通算と言い、王道の節税方法です
しかし新NISAでは専用の投資口座を利用するため、損失が出たとしても他の投資利益にぶつけて相殺することはできません。
また同様に、最大3年間損失を持ち越せる繰越控除も利用できません。
⑤最速組とカチ合うと高値掴みする
新NISAでは年初に一括(1回360万円分、2024〜2027年の各1月頭)投資する最速組が多数登場すると思われます。
株や投資信託などは需要が大きいほど必要金額が上がるため、最速組とタイミング的にカチ合うと高値掴みとなる可能性があります。

最速組はそれを覚悟して買いにくるぞ
もし高値掴みをした場合、最終的なリターンがやや低下するかもしれません。
⑥旧NISAの投資成果を引き継げない
旧NISAの投資成果は別個で保管されるため、新NISAに引き継ぐことはできません。
基本的には旧NISA分はそのまま保有推奨ですが、投資状況に応じては一旦売却して新NISAで投資し直すことを検討していいかもしれません。
旧NISAをどうするかの戦略については、こちらの記事をお読みください。
新NISAのメリット
次に新NISAのメリットを改めて解説します。

ご存知だとは思いますが、ここではなめくじなりの解釈を紹介します
- 最強の投資システム
- 少額からでも投資可能
- 非課税保有期間が無期限
- 売却しても投資枠が復活する
- 資産形成としては十分な投資枠
①最強の投資システム
新NISAは課税という資産形成に最も障害となる壁がない時点で、最強の投資システムと言えます。
通常の株式や投資信託での利益には約20% 、仮想通貨での投資利益や不動産所得では最大45%の課税が発生します。
これらが無条件で非課税となるのは、(旧NISAと)新NISAのみです。

iDeCoを完全に非課税にするには条件を満たす必要があります
②少額からでも投資可能
新NISAは投資信託をメインの投資商品と位置付けており、その投資信託は一般的に少額から投資が可能です。
近年人気の投資信託では多くが¥100から投資可能ですので、必然的に新NISAも同額でも利用が可能です。

それぞれが無理しない範囲で投資できるってこった
③非課税保有期間が無期限
旧NISAでは、なぜか非課税保有期間に5年または20年という縛りを設けていました。
しかしこれが国民に不評だったこともあり、新NISAではめでたく非課税保有期間が無期限となりました。

やっと使い勝手が良くなりました
保有期間が長ければ長いほど元本割れをする確率は下がっていきますので、長期保有ができることは投資の安全性を高めることにも役立ちます。
④売却しても投資枠が復活する
デメリットの時にも軽く触れましたが、新NISAでは投資商品を売却するとその原資分の投資枠が復活します。

100万円投資して120万円時点で売却しても100万円分だけ復活する
例えば長期保有をするつもりで投資し始めても、急な出費で一時的に売却せざるを得ない場合があります。
そういった時に投資枠が復活するのは、新NISAならではのメリットです。
ただし投資枠が復活するには最大1年かかる点に注意が必要です。
⑤資産形成としては十分な投資枠
新NISAは1人につき生涯で最大1,800万円を非課税で投資できます。
例えば月5万円×30年間で合計1,800万円を投資したとすると、平均年利5%計算で最終的に2,361万円の運用益が見込めます。

夫婦でやればその2倍やな
元本と合わせると30年後には4,161万円となりますので、老後に向けて十分な資産を準備できるでしょう。
あなたはどうする?
以上の新NISAでのメリットデメリットを踏まえて、あなたはどうしますか?
参考になるように、新NISAに向いていない人・向いている人の特徴をそれぞれ簡単にまとめます。
新NISAに向いていない人の特徴
- 今の生活や貯金に余裕がない
- 短期的な投資収益が欲しい
- 元本は絶対に割って欲しくない
収入が不安定だったり、ローンの返済などであっぷあっぷになっている方は、まずは生活を安定させることを優先すべきです。
新NISAを始める前に持っておきたい貯金額については、こちらの記事を参考にしてください。
また新NISAは長期目線での投資になりますので、1日〜数年以内での投資収益が欲しい方には向いていません。
その場合は、短期の株取引やFXなどのギャンブル性が高いトレードが適しているでしょう。
最後に「絶対に元本割れは避けたい」とお考えの方も、新NISAには向いていません。
なぜならリスクとリターンはトレードオフであり、投資利益を求めるのであれば元本割れリスクは飲み込まなければいけないからです。
新NISAに向いている人の特徴
- 毎月貯金できるような計画性がある
- 今のうちから老後に向けた資産形成をしたい
- 短期的な収支は気にならない
すでに毎月1万円〜数万円の貯金をしているような、生活が安定していて計画性が高い方は新NISAに向いています。
安心できるための最低金額の貯金は残して、残りは新NISAへの投資をおすすめします。

毎月の貯金をそのまま投資に回すだけですからね
また20〜40代で、今のうちから老後に備えたい方も、時間を味方につける投資である新NISAに向いています。
もちろん50〜60代の方も新NISAをする価値はありますが、若い世代と比べるとやや投資効果や非課税効果は弱まります。
最後に短期収支は気にならず、淡々と投資を続けられる方は間違いなく新NISAに向いています。
新NISAで推奨される投資信託での積立買付=ドルコスト平均法は、「一度投資設定をしたら後は気絶しておけ」と言われるほど、放ったらかすことが奏功する投資手法です。
短期収支が気になってアレコレ投資内容を変更するのは負け戦の始まりですので、どっしり構えておける肝っ玉の太さが新NISAの成功には重要です。
最後に
新NISAは相当なテコ入れが入ったこともあり、旧NISAと比べても非常に優秀な制度に仕上がっています。

お金の不安は新NISAだけで解決できると言う人がいるくらいです
しかし考え方やその人のライフプラン、性格などにより、一部デメリットがあるのも事実です。
新NISAでの投資は長期的に行うことで元本割れリスクを極力減らしているだけで、未来の利益を保証するものではありません。
しっかりとリスクを理解した上で、自分に向いているかどうかを考えてみましょう。

では次の記事でお会いしましょう!

またな
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