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iDeCoはNISAと並んで、大変優秀な資産運用制度です。
一方でNISAよりも仕組みや税制が複雑かつ明らかなデメリットがあるため、「自分のケースではiDeCoを始めるべきか?」と悩むことが多いでしょう。
本記事は、デメリットから考えるiDeCoの価値というテーマで解説します。
皆さんが悩むであろうポイントを簡単にまとめながらiDeCoの是非を考えますので、どうぞ参考にしてみてください。
iDeCoとは
ややこしい制度なのでおさらいも兼ねてiDeCoの説明から始めます。
- iDeCoは個人で積み立てる年金制度のこと
- 月々の掛金に応じて所得税や住民税が減る
- 月々の掛金最大額は人によって異なる
- 運用益が非課税になる(本来は約20%課税)
- 給付時も税制的に優遇される
- 転職時も引き継げる
- ただしデメリットもいくつかある
簡単にiDeCoをまとめると、「自分で作る年金制度で、みんなやってほしいから政府も税制面で優遇してるよ!」という感じです。
ネガティブに捉えると、公的年金制度が将来減額されたり不十分になることを政府が暗示しているとも言えます。
とりあえず、優秀な制度であることは間違いないです
iDeCoのデメリットとは?
では早速iDeCoのデメリットを現実的な話として整理していきます。
iDeCoのデメリットは以下の通りです。
- 60歳までお金を受け取れない
- 企業年金がある or 公務員だと掛金最大額が減る
- 所得が無い専業主婦(夫)だとメリットが減る
- 細々とした手数料がかかる
- 個人事業主や役員だと小規模企業共済に劣る
- 退職金額や年金額が高いと税金が上がる
- 長期運用をしないと元本割れする可能性が高い
いっぱいあるな…
①60歳までお金を受け取れない
iDeCoへの向き不向きを最も左右するのが給付時期の制限です。
ほとんどの方では、iDeCoをいつ始めようが掛金をどう設定しようが、今までの掛金+運用益=給付は60歳になるまで受け取れません。
掛金の一時停止や金額変更ならできます
つまり60歳になるまでに、なんらかの大型出費があり得るため現金を手元に残しておきたい方には向きません。
iDeCoはあくまで老後のために生活の余力資金で行うべきものです。
②企業年金がある or 公務員だと掛金最大額が減る
お勤めの企業によっては「企業型DC(企業型確定拠出年金)」や「DB(確定給付企業年金)」に加入している方もいるでしょう。
その場合は、iDeCoの掛金最大額が月に1.2万円〜2.0万円まで減額されます。
また公務員の方は、月額1.2万円が掛金最大額(2024年12月に最大2万円へ改正予定)となります。
あくまで年金が足りなさそうな人への支援制度やからな
③所得が無い専業主婦(夫)だとメリットが減る
iDeCoのメリットである掛金での税控除は、所得税や住民税に反映されます。
よって所得が無い(厳密には年収100万円以下)専業主婦や専業主夫では所得税や住民税へのメリットはありません。
ただし運用益の非課税メリットは残っていますので、こちらのみで是非を判断することになります。
給付時の税金も、あまりかからないはずです
④細々とした手数料がかかる
iDeCoでは、金融機関や運営組織への細々とした手数料が発生します。
例えば20年毎月掛金を拠出した場合、大手ネット証券銀行利用での概算では総額7万円程度の手数料が発生します。
iDeCoの節税額や運用益を考えると微々たる金額ですが、掛金が少額の場合は手数料負けする可能性もあります。
そういう意味では、折角やるんなら毎月1万円は入れたい
⑤個人事業主や役員だと小規模企業共済に劣る
フリーランスや個人事業主として働いていたり小規模企業の役員に就いている方では、一定条件をクリアすれば小規模企業共済に加入できます。
この小規模企業共済とiDeCoを比べると前者の方がより優秀な制度なので、iDeCoは小規模企業共済を満額拠出してから追加を検討しましょう。
税理士に相談したらまず小規模企業共済をすすめられます
⑥退職金額や年金額が高いと税金が上がる
iDeCoの給付スタイルは、退職金のような「一括受け取り式/年金受け取り式/その併用」のいずれかを選べます。
退職金は税制面で優遇されているため多くの方では非課税で受け取れますが、退職金が多い(1,500〜2,000万円クラス)企業にお勤めだった場合は、課税される可能性があります。
また年金受け取り式を選んでも、基礎年金部分を満額貰える(480ヶ月の社会保険料を支払った)方なら全員確実に課税額は上がります。
非課税範囲なら一括受け取りしたいところ
⑦長期運用をしないと元本割れする可能性が高い
iDeCoで選べる商品のほとんどは投資信託という元本保証が無い投資商品です。
そういった投資は数年〜10年程度のスパンでの元本割れは覚悟して行うものであり、15年以上の長期運用をすることで安定してプラスに持っていくようなイメージです。
よって45歳を超えるの方にとっては、元本割れリスクを高く含んだ投資となるため有意義に制度を活用できない可能性があります。
50〜60歳代の方が選ぶなら節税目的のみの元本保証型商品でしょうね
iDeCoのメリットを整理する
iDeCoをシンプルに表現すれば、「節税しながら積み立てる自分年金」です。
将来の公的年金制度に不安がある今だからこそ、効果的に老後資産を準備するためにiDeCoの利用は非常に有用です。
またiDeCoは同時に、サラリーマンの数少ない節税法の一つです。
必要以上に手元へ残している現金を、節税も兼ねてiDeCo運用するというのはとても理に適った行動と言えるでしょう。
よってiDeCoは政府の支援を受けた、非常に優秀な節税かつ資産運用の手段と言えます。
iDeCoをおすすめできないケース
それでもiDeCoをおすすめできないケース・熟慮すべきケースがありますので、順番に解説します。
iDeCoをおすすめできないケース
①手元資金に余裕が無い
最大のデメリットである60歳までの資金ロックを考えると、現在の手元資金や貯金に余裕が無い方はiDeCoを始めるべきではありません。
あくまで、「iDeCoは余裕資金を使って将来の年金を増やす制度」と捉えましょう。
②今後に大きな出費が予想される、その可能性がある
①と同じ理由で、今後に大きな出費が予想されたり可能性が残されている場合はiDeCoをすべきではありません。
高額車や家を買う、子どもが生まれる、高額医療を受けるなどの予定ですね
③短期的な利益が欲しい
iDeCoはあくまで15〜20年以上の運用期間を想定して行うものですので、目先の利益を狙って始めてはいけません。
iDeCoを始めるとむしろ手元の資金は(一時的とはいえ)減っていきます。
短期利益が欲しい人は他の投資を考えよう
④NISAを上限額まで使っていない
多少の議論はあるでしょうが、制度としての優秀さは「NISA>iDeCo」です。
特に2024年1月から新NISAが始まれば、資産運用としての優先順位にはますます差が開きます。
まずNISAを上限額いっぱいまで使って、その余剰金でiDeCoを検討すべきでしょう。
例外はありますが、ほとんどの方は考えなくて大丈夫です
iDeCoを本当に始めるべきか熟慮すべきケース
①所得税や住民税をほとんど払っていない
「所得税や住民税をほとんど払っていない=扶養に入っていたり、扶養特別控除が外れない範囲での収入しかない」ということです。
こういった方ではiDeCoの節税効果を十分に得られませんので、メリットデメリットの天秤にかけて始めるかを熟慮すべきです。
②退職金や年金受給額が高額と予想される
退職金や年金受給額が高額と予想される(≒持続的な高所得者)場合、iDeCo給付時の節税効果が落ちる可能性があるので、メリットデメリットを天秤にかけて考える必要があります。
ただし退職金の受け取り方に関しては、現状「退職所得控除の5年ルール」という裏技があります。
このルール利用が可能な一部の方は、iDeCoを始めるメリットが高まります。
③個人事業主やフリーランス、小規模企業の役員
個人事業主(フリーランス)や小規模企業の役員であれば、条件が揃えば小規模企業共済に加入できます。
iDeCoと小規模企業共済の詳細な比較は割愛しますが、付随効果を考えるとやや小規模企業共済に軍配が上がります。
③に該当する方はライフプランを立てる難易度がやや高めなので、できればファイナンシャルプランナーや税理士と相談しつつ、どうすべきか決めると良いでしょう。
④45歳以上
45歳以上からiDeCoを始めるケースだと運用期間が15年よりも短くなり、期待リターンが下がったり元本割れをするリスクが高まったりします。
よってそのリスクを飲み込んで始めるか、はたまた元本保証型商品で節税効果のみを狙うのかを含め、熟慮すべきでしょう。
最後に
iDeCoはNISAと比べると制度が複雑で、是非を考えるべきポイントがたくさんあります。
優秀な制度であることは間違いないのですが、「iDeCoが自分の人生にとって必要なのか」の正解は自分の中にしかありません。
しっかりと知識を整理し、ライフプランを考え、どうすべきかを考えてみましょう。
ただお金の話はややこしくなりがちなので、自分の力だけで考えをまとめ切れない場合はプロに相談してみるのもおすすめします。
そういった方は、まずは無料でファイナンシャルプランナーに相談してみましょうね。
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