安倍元総理襲撃事件に関する所感【当日速報】

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2022年7月8日(金)午前11時半ごろ、奈良県の大和西大寺駅前にて演説中だった安倍晋三元総理が何者かによって銃撃されました。

同午後1時ごろの時点では安倍元総理の安否は不明(追記:残念ながら亡くなってしまいました)ですが、現時点でこの事件に関して思うことをまとめてみます。

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絶対に許されない挑戦的行為

現在の日本では、民主主義という国家の根源に関わる犯罪に関しては非常に厳しく取り締まっています。

選挙ポスターを汚したり落書きしただけで逮捕されるほどに、です。

国家国民の代表者たる現役議員、そして元総理という立場の人間を襲撃するというのは民主主義への挑戦です。

犯罪には利害関係というものがありますが、本犯罪での利害関係者は日本国民全てです。

そして民主主義という共通の価値観を持つ諸国家への挑戦でもあります。

民主主義国家である日本で暮らしその恩恵を受けている国民は、このような行為に最大限の批難と侮蔑の目を向けなければいけません。

演説中の警備に関して

慣例的に総理経験者には自宅警備を含めてSPが付くこととなっています。

安倍氏には2021年11月時点でも大掛かりな警備がつけられていたようなので、現場にも複数のSPを始めとした多くの警備が付けられていたはずです。

しかし実際に現場の動画を見ると物々しい雰囲気は無く、安倍元総理は道端の簡易的な演説台に登り演説している様子が見られます。

近辺の聴衆からはわずか数m程度の距離であり、また背後のロータリー(駅近辺なので)は封鎖されていませんのでガラ空きと言えます。

事実、犯人は背後から襲撃しています。

彼はカメラに偽装したと見られる自作銃を持って報道関係者などを装って近づいた可能性があります。

本襲撃事件は近隣ロータリーを封鎖すれば防げた可能性はありますが、あくまで可能性が下がる程度の話です。

犯人が明確な殺意を抱いているとしたら、多少SPがついていようが何の抵抗もできない手段に出ていた可能性もあります。

例えば簡易的には火炎瓶であるとか、違法入手品であればライフルやボウガンなどでも襲撃は可能だったでしょう。

よって今回の襲撃は「警備が甘い」という問題ではなく、「演説中の政治家を襲撃する人間はいないだろう」というある種の性善説に基づいた演説形式が原因と考えます。

安倍元総理の今後

銃火器に詳しい訳ではありませんが、「30〜50m程度が最大射程距離のショットガンを3mから打ち込まれた」というのは助かる可能性は極めて低いと見ます。

何の弾丸を使ったかは不明ですが、一般的にショットガンは射出後に弾丸が広がる(ちょっと語弊あり)のでヒット率が上がります。

しかもそれを3mという近距離から2発という射撃から生還できる可能性は残念ながらほぼ無いでしょう。

今は、銃を改造したせいで破壊力が落ちているのを祈るばかりです。

そしてもし仮に驚異的な生命力で回復したとしても、政治家としての安倍晋三は死んだと言っていいでしょう。

今までは日本の総理として歴代最高クラスのリーダーシップと存在感を発揮していましたが、今後は諸外国との折衝も含め「いないもの」として考えなければいけません。

自民党内では安倍派(清和会)として非常に強い影響力を持っていましたが、これから大きく党内勢力図は大きく変わることになるでしょう。

日本の未来への影響

安倍元総理は長期政権だったこともあり、各界隈から賛否が非常に大きく分かれる政治家です。

しかし各国首相の中でもリーダーシップを発揮し、一定の信頼を置かれていた安倍元総理を失ったのは日本の外交にとって痛手でしょう。

彼が今までの仕事で培った各国へのパイプが大きく毀損され、外交面で立ち回りにくくなることが容易に想像できます。

また安倍元総理は第1期内閣から常に憲法改正を訴え続けてきました。

その安倍氏が中心となっていた安倍派の影響が削がれてしまうことで、憲法改正への議論が立ち止まる可能性があります。

しかしただでさえウクライナ情勢により国民の危機意識が高まり、実力を保有する重要性が認知されつつある状況です。

もしかすると、本事件をきっかけに参院選で自公圧勝からの一気に改正という方向に世が動くこともあり得ます。

結局のところ、未来は誰にも分かりません。

直近の参院選への影響

すでに明後日に参院選の投開票が迫っている状況です。

各メディアによって自公優位の報道がされていますが、本襲撃事件での国民感情の変化によって更に投票数が増えるかもしれません。

これだけの重要人物の襲撃事件というのは、近年でも類を見ないレベルです。

嫌な言い方にはなりますが、ある種のエンタメ性(悲劇として)やゴシップ性(誰がどんな動機で?)により参院選には注目が集まるでしょう。

もしかするとこの事件の影響から、国民の投票率や投票行動が大きく変わるかもしれません。

通常、政治にあまり興味がない層の浮動票は「自民党に不利」とされています。

しかし今回はその自民党に悲劇が起きているため、通常のセオリーとは逆に自民党への同情票が集まるかもしれません。

あるいは有事だから保守政党(厳密には自民党は保守ではありません)である自民党に投票するという行動に繋がるかもしれません。

銃規制について

日本は元々厳しく銃の所持や使用に規制がかけられています。

今回の犯人は何らかの手段で得たパーツを改造して自作した疑いがありますので、それら入手ルートが明らかになれば更なる規制がかかるかもしれません。

しかし麻薬然りですが、銃流通ルートを禁止したところで結局はいたちごっこになってしまいます。

銃規制については反対も賛成もしませんが、少なくとも規制を強化すれば本襲撃事件を防げた・今後は防げると思わないようにしておくべきです。

犯人の今後

今は容疑者ですが、今後の裁判で刑が確定すれば晴れて罪人となります。

犯人の行為が日本や世界に及ぼす影響を考えれば、情報を吐き出させた後はとりあえず死刑としておきたいところです。

しかし日本は法治国家であり、民主主義を破壊しにきた男に対して法を破壊して対応してはいけません。

適切に法の番人が仕事をしてくれるでしょう。

しかし今後犯人にはどのような結末が待っているのでしょうか?

戦後の日本で起きた現役の国政政治家暗殺事件は3件ありますが、犯人は不起訴・自殺・無期懲役という転帰を辿っています。

例えば直近の「2002年石井紘基刺殺事件」では、犯人は無期懲役となっています。

現状の司法では、殺害人数が一人である場合に死刑となることはほぼ有りません。

本襲撃ではおそらく計画性や殺意が明確であり社会的衝撃が大きい案件ですから、もしかすると…という程度です。

ちなみに日本の要人暗殺事件としては、「2008年元厚生事務次官宅連続襲撃事件」において二人を殺害した犯人の死刑が確定しています。

有名な1963年のケネディ大統領暗殺事件は、実行犯を射殺した人間が死刑判決(執行前に病死)を受けています。

最後に

執筆時点で安倍元総理の安否ははっきりとしていません。

要人として奈良医大での最高強度の治療を受けていることでしょう。

2000年代最大の功労者として、そして犯罪に巻き込まれてしまった善良なる国民として回復を願って止みません。

(追記:残念ながら亡くなってしまいました。ご冥福をお祈りします)

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