政治

【この記事だけでOK】2021年衆院選を振り返る【政治初心者向け】

2021年10月31日に第49回衆院選が行われました。

みなさんの支持者や支持政党はどういった選挙結果だったでしょうか?

そもそも投票に行ったでしょうか?

きっと選挙情報を調べているあなたは事情がない限りは投票したと確信しています。

さて本記事では前回と今回の衆院選結果を振り返りながら、いま日本国民が政治に求めているものが何なのかを読み解いていきたいと思います。

政治をあまり知らない、得意じゃない人向けに分かりやすく解説していきますので安心してください。

全て読めば、それっぽいことを職場や家庭で語れるくらいの知識がつきますのでどうぞ最後までご覧ください。

職場で政治を語ると面倒ごとが起きるからオススメしませんけどね!

まずは直近の政治事情をおさらい

長期政権であった安倍内閣は安倍首相の体調上の理由で退陣し、2020年に菅内閣へと政権をバトンタッチします。

菅内閣は当初から短期政権と言われていて、事実384日という長期とは言えない在籍日数で退陣しました。

安倍内閣の退陣劇が急すぎて後継者選びの余裕もなかったため、当時の官房長官であり能力実績ともに十分な菅さんが残された爆弾を処理する役に抜擢されたわけですね。

そして菅内閣は「誰にも正解がわからない新型コロナウイルス対策」と、「ウイルス対策と矛盾する東京オリンピックの開催」という無理難題の解決を課せられながら、153日連続執務を含む全力疾走で政治のトップシーンを駆け抜けました。

2021年9月には10月4日の菅内閣総辞職にさきがけて、政権与党である自民党の総裁選が開かれました。

河野太郎、岸田文雄、高市早苗、野田聖子の各候補者が論戦を繰り広げ、最終的には自民党総裁として岸田文雄さんが指名され首相となりました

そして岸田首相が「衆議院議員が4年の任期満了を直近に控えたこと」などから衆議院を解散したことで、10月31日に衆議院総選挙が実施されました。

第49回(2021年)衆院選のまとめ

・与党(自民党+公明党)の議席数は微減にとどまりセーフ

野党第一党の立憲民主党は共産と選挙協力して臨んだが合計マイナス15議席の共倒れ状態

・国民民主党、れいわ新選組は堅調に議席数を増加

日本維新の会が4倍近い議席獲得で大躍進

・NHK党は議席消滅、社民党は1議席確保で首の皮一枚つながる

政治家はどういう意味合いで今回の衆院選に臨んでいたか

どの選挙にも、このテーマでの国民判断を仰ぐという『争点』が存在します。

有名なところでいうと元小泉内閣の郵政民営化を争点とした2005年の『郵政選挙』ですね。

では、今回はどういう争点で政治家たちは選挙に臨んでいたのでしょうか?

実は与党・野党ともに今回の衆院選を『政権選択選挙』と位置付けていました。

野党のうち立憲民主党、共産党、れいわ新選組、社民党は事前に共闘を掲げ「与党vs左派野党vsその他」という構図に持ち込みました。

具体的には選挙区で候補者を統一化して票を集中させて与党候補者を倒そうという動きです。

共闘する野党内では特に立憲民主党と共産党の選挙規模が大きいので、事実上は「自民+公明(自公)vs立憲+共産(立共)」という図式になりました。

それを受けて立つ与党側も『立憲共産党(麻生副総裁の演説発言より)』と野党共闘を批判して対決姿勢を強めていました。

擬似的に2大政党状態になった今回の選挙では、外交などの各テーマでというよりは「日本の政権を任せられるのは自公か立共のどちらなんだ?」という根本的な争いとなりました。

結果ピックアップ

政権選択について

  • 自公の議席数は305→293 12議席減
  • 立共の議席数は121→106 15議席減(れいわや社民を含むと123→110 13議席減)

この数字だけだと痛み分けという風に見えますね。

しかし実際には明らかに立共の負け(クーデター失敗)です。

それはなぜか?

自公と対立する立共は「自公を減らして」、「立共を増やす」ことが勝利条件です。

与党になるためには過半数(233議席)〜安定多数(244議席)を目指さなければいけません。

それには自公の議席を減らすことが必要不可欠で、野党同士で共食いしていても意味がありません。

仮に与党になれなくとも、今回の対立軸で立共が議席を増やしていたら「政権交代を求めている国民が増えた」と胸を張れるわけです。

ところがフタを開ければ自公以上の議席減少で、与野党がお互いに減らした議席はごっそり維新にもっていかれました。

維新と立共は政策的に対立していますし、立共は明確に「維新は自公の補完勢力」と敵視しています。

だから維新が増えたところで「野党が勢力を増した」なんて口が裂けても言えないのです。

現実には自公の批判票は維新が受け皿となり、立共は議席数増加どころか野党としての能力を疑われ始めてしまったということです。

ちなみに国民民主やN国は立共と距離を置く中立の立場ですので多少増えようが減ろうが大勢に影響しません。

大物議員の落選

今回の選挙では与野党問わず、要職を経験したり選挙地盤が固いはずの大物議員がガンガン落選していきました

このトピックでは話題の落選議員について紹介します。

ちなみに紹介内の『ゾンビ』というのは「個人の力量が試される小選挙区で落選して、党人気のみの勝負である比例代表で復活を遂げる」当選法の通称です。

なぜか小選挙区と比例代表は両方立候補できるんですよね。

まあおおざっぱに、敗者復活戦で勝って戻ってきたくらいに思ってください。

与党

石原伸晃:近年は弱体化していたとはいえ、自民党内石原派(9人)という派閥の長がまさかの完全落選

甘利明:9月に自民党幹事長に就任したばかりの大物がまさかの小選挙区落選で幹事長辞任RTAチャレンジ

平井卓也:前デジタル相という直近まで大臣を務めていたはずの自民党実力者が一発アウトの落選

野田毅:御歳80歳で50年近い議員生活を送っていた自民党重鎮があえなく落選で議員生活にピリオド(多分)

桜田義孝:前五輪相という大臣経験者も小選挙区で容赦無く落とされ辛うじてゾンビ復活

塩谷 立:官房副長官や文科大臣などを歴任してきた実力者が小選挙区で敗戦しゾンビ化

野党

小沢一郎:剛腕・壊し屋の異名を持つ岩手の闇のフィクサーだが、鉄壁だったはずの小沢帝国でついに陥落してゾンビ化

平野博文:立憲の選挙対策委員長という最も落選していけない立場の人物が屈辱の惨敗で落選

辻本清美:個性的なキャラと討論で親しまれている立憲の名物議員がゾンビ化すらできずに完全落選

海江田 万里:旧民主党の代表経験もある立憲の重鎮が接戦の末に敗れゾンビ化

中村 喜四郎:自民→無所属→改革クラブ→立憲と渡り歩き逮捕失職歴もある波乱の大物が落選しゾンビ化

その他ニュース

赤い牙城沖縄で社民党が唯一の議席を死守

なんとか首の皮一枚残した社民党ですが、今回の選挙で政党要件を満たしたかが心配されています。

もし政党と認められる最低限のハードルである政党要件を満たせなくなると党の機能に各種の足枷がかかって消滅に王手がかかります。

れいわ新選組は比例1→3議席に進化

新勢力であるれいわ新選組は今回の選挙結果により政党要件を2種類とも満たすことになり、名実ともにりっぱな政党となりました。

しかし野党共闘では結果を残せず、手放しでは喜べない選挙結果であることも事実です。

NHK党が衆議院から消える

NHK党が擁立した候補者が全選挙区で落選したため、衆議院からNHK党議員がいなくなることが確定しました。

辛うじて1人だけ参議院議員(任期〜2025年)が在籍していますが、党としてはほぼ死に体となりました。

しかしNHK党はマスメディアから無いものとして扱われていて何かすごい闇を感じますね。

国民民主は堅実な成長

玉木雄一郎さんが代表を務める国民民主党は議席数を8→11に伸ばしました。

立憲民主党とは対照的に、国民民主党が共産党と一定の距離を保ったから議席数が伸びたという見方もあります。

民主系政党としては異例の『改革中道』という路線を打ち出しており、今後の動向が注目されます。

維新が大躍進

維新の会が4倍近い41議席を獲得しました。

小選挙区では牙城である大阪以外には兵庫1議席だけですが、比例代表にて北海道ブロック以外のほぼ全国で議席を獲得し大阪だけのローカル政党ではない(落選した辻本議員に選挙中にローカルとディスられていた)ことを全国にアピールした形です。

自民党の批判票の受け皿として大いに機能して議席数を増やした維新が今回の選挙では一番の勝ち組です。

公明党は相変わらず堅い

安定感抜群の公明党は29→32議席に上積みして集票能力をアピールしました。

しかし今後維新が安定的に公明党以上の議席数を確保すれば、自民党が浮気しだす可能性もあるため喜んでばかりではいられません。

※維新の松井代表は与党連立の可能性をきっぱりと否定はしています

自民党が大幅減の下馬評をくつがえし最小限のダメージに抑える

前回の衆院選が出来過ぎだったこともあり、選挙前には30議席以上減の大ダメージが予想されていましたがなんとか15議席減にとどめました。

自民党単独で絶対安定多数と言われる261議席を確保し、高いハードルもなんとか乗り越えました。

しかし要職経験のある大物議員が次々に落選しており、国民に新陳代謝や党内改革を求められる結果ともなりました。

立憲の枝野代表、深夜まで当確が出ずひやひや

開票前に「小選挙区で落選したら辞任」と示唆したて背水の陣で臨んだ枝野代表ですが、深夜1時過ぎにやっと当確が出るほどの激戦でした。

自民候補を下したのは面目躍如といったところですが支持基盤の弱さも露呈しました。

『キングメーカー』二階元幹事長は地元和歌山の硬い地盤で余裕すぎる当確

首相経験こそないものの、類まれな党内の調整能力と中国への太いパイプを持つとされる影の超大物である二階元幹事長は余裕すぎる13期目当選を果たしました。

御歳82歳でもう足腰(比喩ではない)も相当フラフラなのに、いったいいつまで政治家を続けるのでしょうか。

ご本人はTBS系の選挙特番にて芸人の爆笑問題太田さんに失礼なインタビューを受け怒っていました。

現立憲と元民主の対決は立憲に軍配

東京18区では立憲の菅直人元首相と民主系を離党して自民に鞍替えした長島元大臣の因縁の対決が行われました。

激戦の末ぎりぎりで菅直人元首相が長島元大臣を下して実力を見せつけました。

長島元大臣は比例でゾンビ化していますが、地盤のない東京18区で元首相相手に大健闘したと言えます。

しかし自民党の候補者のぶつけ方も中々エグいものがあります。

立憲の安住党国対委員長が自民森下千里候補に実力差を見せつける

立憲の実力者であり鉄壁の牙城を持つ安住党国対委員長が森下千里候補を下し9回目の当選を果たしました。

実績のない元タレント候補に対し実力差を見せつけた格好ですが、実は前回衆院選の対立候補(当選2回)よりも有効投票率は肉薄されました。

自民党から負けて元々のぶつけ方をされている森下候補が地盤のない中で大健闘したとも取れます。

共産の志位委員長が楽々比例代表突破

初出馬の1993年以外は全て比例区単独で当選している志位委員長は、今回の選挙で委員長歴を25年に伸ばしました。

比例名簿第1位の志位委員長は、共産党の得票能力とドント方式(議席配分方法)が組み合わさった結果の「落選がほぼあり得ない状況」で出馬し続けています。

志位委員長が小選挙区で当選すれば共産党が1議席増えるのにそれをしないのは、それだけ志位委員長が落選した時の党のダメージが大きいからと考えられます。

ちなみに志位委員長は長期に委員長(党代表)を務めているため、他党の丸山元議員より『独裁者』とイジられた経験があります。

選挙結果の考察

政党を一般的に言われている右派・中道・左派に分けて議席変化を併記すると以下のようになります。

  • 右派:自民、維新(287→302)
  • 中道:公明、国民民主、NHK(38→43)
  • 左派:立憲民主、共産、れいわ、社民(123→110)

単純な右派・左派論争で考えると、国民は右派寄りの政治を求めていることになります。

自民党単独で絶対安定多数である261議席以上を得たことから、議席数こそ減らしましたが自民党は引き続き国民から信任されたと考えていいでしょう。

そして、特に維新の躍進が目覚ましかったことから、彼らが掲げる『新自由主義』による政治が期待されていると解釈できます。

新自由主義とは?

新自由主義とは「税率や行政サービス、富の再分配を減らして自己責任論を強める」思想のことです。

「小さな政府を目指す路線」とも表現できます。

維新の母体である大阪維新の会は行政サービスの一部民営化によって大阪市行政をスリムにし財政再建を果たしつつあります。

そして同時に公務員削減の影響で大阪府のコロナ禍対応が後手に回ったことも記憶に新しいと思います。

良くも悪くもまさに新自由主義ど真ん中の路線ですね。

維新が支持されているというのを分かりやすく表現すると「税金を減らしてその分自分たちの好きなようにさせてくれ。政府の保護は要らないから。」という話になります。

新自由主義では税金という分配能力を下げて、市場原理に任せるので国民間の経済格差は拡大する傾向にあります

本当に国民が求めているものは?

さて、ここで疑問ですが国民は本当に新自由主義路線を求めているのでしょうか?

議席の増減だけで考えると新自由主義を求めていると考えられます。

しかし例えば、小さな政府を目指した旧民主党政権時代は苦い思い出として国民に否定されています。

新自由主義の権化である現パソナグループ会長の竹中平蔵氏がつくったYoutubeの『平ちゃんねる』では投稿動画に低評価の嵐が起きました

自然災害が起きて公共事業の中止が原因と知られると、これにもバッシングが起きます。

そしてコロナ禍で休業、失業が増えると同時に政府による手厚い援助が声高に求められました。

これらを総合して考えると、国民は「大きな政府」を思い描いている気がしてなりません。

本当に求めているのは「中抜きや税金のポッケナイナイといった国民にとっての無駄を省いて、国民に必要な部分にはガンガン税金を注入する」といったイメージの大きな政府でしょう。

本当に中抜きやポッケナイナイがあるのか、なめくじには分かりませんが・・・。

ちなみに岸田総裁は『新自由主義からの脱却』をキャッチフレーズにして総裁選を勝ったのですが、結局どちらに動けばいいんでしょうね?

考察まとめ

さて、今回の選挙では与野党問わずに大物政治家がガンガン落とされました。

視点を変えてみると、今までの要職経験などの有無で物事を決めて欲しいのではなく、閉塞した現状を打破するために政治家の世代交代を求めているとも考えられます。

政策としては正反対にあたる維新が期待されているのは、新自由主義路線というより大阪を生まれ変わらせた『改革』する力なのかもしれません。

ワンマン感の強い自民党の河野広報本部長が国民や自民党員に広く支持されているのも、現状を打破して改革するリーダーシップを求めていると考えると納得がいきますね。

これから政治はどう方向を変えていくのか、期待して見守りましょう。

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