最近、政府が後押ししていることもあって投資業界が賑わいつつありますね。
つみたてNISAの設定が完了した人は、次の投資に米国ETFを考えている人も多いのではないでしょうか。
でも米国ETFの特徴や違いってよく分からなくないですか??
おれには難しい話はわからん
そこで備忘録も兼ねて有名どころの米国ETFの特徴についてまとめ、どんな違いがあってどのように選べばいいかを考えていきます。
一緒に勉強して世界最強の経済大国アメリカのETFに、自信を持って投資できるようになりましょうね。
状況に応じて随時更新予定です
ETFとは
まずはおさらいです。
ETFとは上場投資信託(Exchange Traded Fund)のことです。
投資信託との主な違いは以下の通りです。
- 上場しているのでリアルタイムで取引が可能
- 販売窓口が証券会社だけ
- 指値注文ができる
- 信用取引が可能
- 円だけでなくドルでも決済できる
また、株式系のETFには運用方針によっていくつかの種類が存在します。
- インデックス(パッシブ)ファンド
- 高配当株ファンド
- アクティブファンド(スマートベータ含む)
- ヘッジファンド など
本記事では基本的にインデックスと高配当株についてみていきます
長期投資家向けの内容ってことやな
インデックスETF
では本題の主要な米国ETFについてまとめていきます。
表記は全てティッカーとなっています。
ティッカーとはETFのあだ名みたいなもんです
まずは特定の指数に連動するインデックスETFです。
代表的なETFのティッカーとデータは以下の通りになります。
- VT
- VTI
- SPY
- IVV
- VOO
- QQQ
- DIA
①VT
VTの正式名称は「バンガード・トータル・ワールドストックETF」です。
これは新興国を含む全世界の株式に投資できるETFです。
イメージはオルカンやな
株式の中では最も広く分散投資されたETFの一つであり、そのため比較的低リスクであると言えます。
「どの国が次の勝者になるかは分からないけど、世界としては必ず成長する」
こう考えている人にピッタリのETFです。
②VTI
VTIの正式名称は「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF」です。
これはアメリカの株式全体に投資できるETFです。
後述するVOOとは対照的なETFであり、こちらは将来有望な小型株の成長を飲み込めるという特徴があります。
しかし沈んでいきやすい小型株を含むことで投資としては非効率になり、かえってパフォーマンスが落ちるリスクも抱えています。
格闘技大会にストリートの荒くれ者を組み込むみたいなもんや
ちょっとよく分からないですね
「アメリカにはまだGAFAMに匹敵する企業が出てくる」
こう考える人にピッタリのETFです。
③SPY
SPYの正式名称は「SPDR S&P500 ETF」です。
VOOやIVVと同じくアメリカのS&P500指数と連動するETFとなります。
3者の中では一番設定日が古いETFであり、いわば「元祖S&P500連動型ETF」というものです。
その歴史が長い分資産総額が一番多くなっていますが、VOOやIVVと比べて経費率が高いのがネックとなります。
多分当時では安かったんやろなあ
連動指数が一緒ですので、これら3者のパフォーマンスにほとんど差はありません。
「最も歴史と実績があるETFに安心して投資したい」
こう考える人にピッタリのETFです。
④IVV
IVVの正式名称は「iShares Core S&P 500 ETF」です。
VOOやSPYと同じくアメリカのS&P500指数と連動するETFとなります。
SPYに次いで登場したS&P500連動型ETFであり、いわば「本家S&P500連動型ETF」のようなものです。
ラーメン屋かな?
基準価額はSPYとほとんど変わらないものの、経費率を0.06%更に圧縮した画期的なETFとなります。
パフォーマンスはやはり3者とも変わりはありません。
「歴史があるETFがいいけど経費率の違いも気になる…」
こう考える人にピッタリのETFです。
⑤VOO
VOOの正式名称は「バンガード S&P 500 ETF」です。
IVVやSPYと同じくアメリカのS&P500指数と連動するETFとなります。
最後に登場したS&P500連動型ETFであり、いわば「真・S&P500連動型ETF」のようなものです。
満を持して登場か
経費率はIVVと同じく控えめの0.03%ながら、基準価額が気持ち抑えられているためIVVやSPYよりも買いやすさで上回ります。
ドルコスト平均法の効果は基準価額が低いほうが利きやすいです
「同じS&P500連動型ETFでも、より良いものを選びたい」
こう考える人にピッタリのETFです。
VTIとの違いについて
VTIとVOOやIVVは経費率こそ同じですが、ベンチマークにする指数がちょっと違います。
VOOはアメリカを代表する大型株だけで構成されているため、パフォーマンスが安定する分VTIに比べ爆発力に欠けるかもしれません。
ただしVTIもVOOも時価総額加重平均の指数に連動するため、結局は大型株の値動きで基準価額が決まります。
実際に基準価額の5年変動をみても、ほとんどパフォーマンスは変わりません。
VTIのほうが単価が低いので、比較的買いやすいですね
⑥QQQ
QQQの正式名称は「Invesco QQQ Trust Series 1」です。
これはアメリカのナスダック100という指数に連動するようなETFです。
ナスダック100とは新興企業(金融以外)のための株式市場です。
S&P500が様々な分野の大企業を取り込んだ指数に対し、ナスダック100は情報技術系を中心に構成された指数です。
よって情報技術系ベンチャーとして勃興したGAFAMなどの巨大企業のウェイトが高くなっています。
技術革新で世界を牽引するアメリカらしい指数やな
特にコロナ禍で世界の日常は変わり、リモートワークのようにどんどんIT系技術が必要な状況になりつつあります。
「これから第二次ITバブルがきっと来る」
こう考えている人にはピッタリのETFです。
ただし経費率が比較的高いので注意です
⑦DIA
DIAの正式名称は「SPDRダウ・ジョーンズ工業株平均ETFトラスト」です。
アメリカ株式市場の指数の一つであるダウ平均に連動するようなETFです。
工業株とは言いながら、現在では工業以外の幅広い分野の銘柄で構成されています。
ただし30種という比較的少ない企業で構成されていますので、S&P500などと比べると1構成銘柄あたりの影響が大きい指数と言えます。
その分ガッチガチの超優良グローバル企業で構成されているぞ
「アメリカ経済の恩恵は受けたいけど世界の影響もトッピングしておきたい」
こう考えている人にはピッタリのETFです。
ただし経費率が比較的高いので注意です
高配当株ETF
次はみんな大好き高配当株ETFをチェックしていきましょう。
代表的なETFのティッカーとデータは以下の通りになります。
- SPYD
- HDV
- VYM
- VIG
- SDY
- DVY
- DHS
- QYLD
①SPYD
SPYDの正式名称は「SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF」です。
S&P500指数の中から配当利回りが高い80銘柄を抽出したS&P500高配当指数に連動するETFです。
要は高配当株の寄せ鍋や
経費率も0.07%と非常に優れており、VYM、HDV、VIGなどと同水準です。
SPYDはS&P500連動型ETFと違い構成銘柄は全て一律の比率で組入れられています。
これはおそらく一銘柄当たりの影響を少なくして、高配当率を維持しようとするためと思われます。
また他の高配当株ETF(QYLDを除く)と違い、基準価額が低めであるため買いやすいのがSPYD特有の利点です。
「ガッツリ高配当が欲しいが、キャピタルゲインもそこそこ狙いたい」
こう考えている人にはピッタリのETFです。
SPYD全振りも刺激的で面白そうな投資法です
②HDV
HDVの正式名称は「iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF」です。
HDVは財務の健全性が高く、高配当である株で構成された指数に連動するETFです。
SPYDと構成銘柄数はほとんど変わりませんが、より財務健全性が重要視されているためディフェンシブな高配当株ETFと言えます。
ただし構成銘柄の上位にエネルギーセクターが含まれているため、昨今のエネルギー事情の不安定さがHDVのパフォーマンスに直撃する可能性があります。
企業じゃどうしようもない地政学的な理由で業績変動するかもしれん
基本的には株式と債券との関係のように、保有する高配当株ETFの中にHDVを一定割合組み込んで配当額を安定させる使い方がいいかもしれません。
ただしトータルリターンはSPYDやVYMに劣後するため、HDV全振りにすると配当は安定するものの資産総額が伸び悩む可能性があります。
「保有している高配当株ポートフォリオの安定感を増したい」
こう考えている人にはピッタリのETFです。
個人的にはエネルギーセクターの不安要素が気になりますが
③VYM
VYMの正式名称は「バンガード・米国高配当株式ETF」です。
VYMはSPYDと違って、同じ高配当株でも時価総額加重平均型の指数をベンチマークしています。
最近6年程度での配当利回りの高さは、常にSPYD>HDV>VYMとなっています。
SPYDはまだ歴史が7年しかないからな
VYMとSPYDやHDVとの大きな違いはVYMの構成銘柄が約5倍と最も多く、分散が効いていることです。
またVYMは減配が少ないことでも知られています。
「なるべく配当金額のブレを無くしたい」
こう考えている人にはピッタリのETFです。
④VIG
VIGの正式名称は「バンガード・米国増配株式ETF」です。
VIGは10年以上連続で増配し続けている米国株で構成される指数に連動するETFです。
ただし上位25%の高利回り株は除外されているため、成熟しきった高配当株は入っていないことに注意が必要です。
そのためSPYDやVYMと比べるとこぢんまりとした配当利回りとなっています。
厳密に言えば高配当株ETFではないかもしれませんね
10年以上もの連続増配が可能な財務健全性や成長性がある将来有望企業への投資として抑えておきたいETFの一つです。
ちなみに経費率が0.06%とかなり抑えられているのも好印象です。
「フレッシュな有望企業へ投資をして、インカムだけでなくキャピタルも稼ぎたい」
こう考えている人にはピッタリのETFです。
⑤SDY
SDYの正式名称は「SPDR S&P 米国高配当株式 ETF」です。
20年以上増配を継続している銘柄を抽出したS&P高配当貴族指数に連動するETFです。
連続増配株は「企業の収益体質が強靭で持続的な成長が期待できる」という特徴があります。
またVIGの10年と違い20年以上のスパンで判断していますので、その経過分配当利回りが上がります。
VIGよりはインカム寄りって感じやな
ただし今まで紹介した①〜④のETFと違い、経費率が0.35%とそれなりに高いことに注意が必要です。
「完全な高配当株ETFより気持ちキャピタル寄りに投資をしたい」
こう考えている人にはピッタリのETFです。
⑥DVY
DVYの正式名称は「iシェアーズ 好配当株式 ETF」です。
DVYは米国株のうち過去5年の配当利回りが高い100銘柄で構成される指数と連動するETFです。
構成銘柄やその数はSPYDと似ていますが、増配率ではDVYに軍配が上がります。
トータルリターンもVYM並みに高いぞ
ただしSPY同様に経費率が0.38%と高水準であることに注意して投資しましょう。
「SPYDの高配当率とVYMのトータルリターンのいいとこ取りをしたい」
こう考えている人にはピッタリのETFです。
⑦DHS
DHSの正式名称は「ウィズダムツリー 米国株 高配当ファンド」です。
DHSは配当利回りの高い上位30%の米国株を抽出する独自の指数に連動したETFです。
配当額加重平均型指数であるため、かなり高配当寄りのETFであると言えます。
またエネルギー・生活必需品・公益事業・金融が組入上位のセクターなので、ややHDVやDVYに近いかもしれません。
HDVに近くてDVYよりインカム重視って感じですね
ちなみに次のQYLD同様に珍しく毎月分配型のETFであるという特徴があります。
「十分な資産があるから堅く高配当が欲しい」
こう考えている人にはピッタリのETFです。
⑧QYLD
QYLDの正式名称は「グローバルX NASDAQ100・カバード・コール ETF」です。
異色な超高配当株ETFですので、しっかり特性を理解した上で投資をする必要があります。
経費率も高配当株ETFにしては異例の高さや
今まで紹介したものは分配金つまりインカムゲインとともに、基準価額が上昇して資産が増えるキャピタルゲインも狙える優良ETFです。
ところがQYLDはその仕組み上、基準価額が大きく上がることはありません。
なぜなら”基準価額が上がる権利”を売却して配当しているからです。
QYLDはQQQとほぼ同じ銘柄構成をしていますが、ナスダック100が成長した恩恵の大部分を分配金として流出している形なので基準価額がジリ貧になっていきます。
正直、たこあs…
というか実態はポンジに近いので、最終的にはババ引きゲームです
税引前10%超でしかも毎月分配型の高配当は魅力に映りますが、トータルリターンの成長が悪かったり最悪マイナスに振れる可能性が高いことに注意しましょう。
「もう十分な資産を稼いだから年金代わりの毎月配当が欲しい」
こう考えている人は検討してもいいETFです。
最後に
いかがだったでしょうか。
アメリカの主要なインデックスETFと高配当株ETFについて解説しました。
紹介したもの以外にも多くのETFが存在しますが、長期目線でのETF投資であれば本記事の内容でかなりの部分を抑えられたはずです。
ETFには似ているようでそれぞれ違う特徴や特性を持っていますので、しっかりと理解をして投資をしていきましょう。
では次の記事でお会いしましょう!
またな
日本高配当株の探し方については以下の記事をお読みください。
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