2022年3月現在、ドルと円の為替レートはかなり円安方向に動いています。
インデックス投資家はこの円安をどう受け止めて、この先どういう投資指針で向かえばいいのでしょうか?
備忘録も兼ねて2年目の投資家が知識を整理します。
私同様にドル円の為替レートについて深く考えたことの無い人は、この先の投資方針について一緒に考えてみましょう。
もしかすると未来のドル円の動き次第では、あなたの将来設計がめちゃくちゃになってしまうかもしれませんよ。
結論
- ドルと円の価値はトレードオフ
- 円安からくる物価高対策が必要=ドル資産
- 個人的には今後円安傾向が続くと予想
ドルと円について
まずはドルと円について整理してみましょう。
ドル
ドルにはいくつか国ごとの種類がありますが、大事なのは米ドル(USD:UnitedStatesDollarと表記されます)です。
世界経済の中心であるアメリカが発行する米ドルは、基軸通貨として扱われています。
基軸通貨というのは、世界共通語のお金バージョンです
2019年時点では、米ドルが外国為替決済高の9割近くを占めています。
米ドルが国際市場を制圧してるな
円
ご存じ日本の通貨ですね。
私たちの基本的な買い物や給料受け取りなどお金のやり取りは全て円で行われます。
そういう意味で最も重要な通貨でしょう。
投資をしたり、外貨建ての保険などを購入しなければ円だけで人生が完結します。
むしろドルに触れる人のほうが少数派かもしれません
ドルと円の関係性
次にドルと円の関係性について考えてみましょう。
発行国であるアメリカと日本は仲良しであることが前提です。
仲良しってのは同じ資本主義国家だとか同盟国という意味です
両国ともに世界中で認められている経済大国であり、お互いの通貨への信頼性があるためにドルと円の為替レートは常識外れな急変はしません。
実際にここ20年では1ドル77円〜133円とある程度安定した範囲で推移しています。
さてドルと円の為替レート変化は円安/円高という表現をされますが、レート変化が経済に与える影響としては教科書的には以下の通りです。
円安ドル高
- 輸出企業の業績が上がる
- 輸出製品の国際競争力が上がる
- 海外のモノやサービスが高くなる
- 海外からのエネルギーや資源輸入が高くなる
円高ドル安
- 輸入企業の業績が上がる
- 輸出製品の国際競争力が下がる
- 海外のモノやサービスが安くなる
- 海外からのエネルギーや資源輸入が安くなる
実際には国同士の経済事情が複雑に絡まっているのでこんな単純な話じゃないです
あと政治パワーも関係してるな
資産形成としてのドル
日本に生まれ日本で生活している以上、直接的にドルに触れる機会はほとんど無いと言っていいでしょう。
しかし、資産形成をしたり投資をしたりする上でドル円問題はおそらく避けられません。
なんでや!俺は投資も円しか使わんし関係ないやろ!
その考え方は資産管理としてはハイリスクですよ
その理由を順に説明していきます。
円だけじゃダメなのか
ダメでは無いですがあまりお勧めはしません
ドル円の関係というのはトレードオフです。
つまり、ドルが高くなれば円が安くなりドルが安くなれば円が高くなります。
逆にドルも円も両方高い/安いという自体はまず起きません。
この事実からは次のことが言えます。
- 円だけの資産では円安ドル高になった際に実質価値が目減りする
資産価値というのは実際の購買力のことです
円だけじゃダメな例①
分かりやすいように極端な例を考えてみましょう。
例えば将来高級アメリカ車を買うために貯金をしているAさんがいたとします。
そしてAさんは節約と残業を頑張って円資産を1.5倍に増やしたとします。
「さあ目標金額になったぞ」というところでドル円チャートを見たところ、以前の2倍のドル高になっていました。
そう、Aさんが買おうとしていた車はいつのまにか円換算で2倍の値段になっていたのです。
かわいそうなAさんは更に貯金をしなくてはいけませんでした。
ドル高では海外製のモノが高くなりますからね
いやいや、これは海外製品を買おうとしてるからやろ
円だけじゃダメな例②
今度は日本で生産している製品について考えてみましょう。
円安ドル高では輸出に際しては有利ですが、自国で生産し消費する製品に関しては単に物価高を招くだけです。
日本は資源に乏しい国ですので、製品を作る過程で原材料や製品を作るエネルギー資源の輸入を必要とします。
原材料費は高くなるのに価格据え置きでは製造企業が倒産してしまいますので、必ず値上げが起きます。
これをコストプッシュインフレといいます
確かに最近めっちゃ色々値上げ始まってるわ…
将来日本で円を使って暮らすとしても、コストプッシュインフレが起きれば相対的に円の資産価値は低下します。
ドルと円の両方で資産を形成すると守備力が上がる
円だけで資産形成をすると、円安時に資産価値が下がることがお分かりいただけたと思います。
逆に円高になっていくと予想するなら円資産だけに絞ったほうがお得です
さて、投資を始めている人なら「リスクヘッジには分散が必要」というのはよくご存じですね。
ドルと円も同様で、通貨資産を分散させておくのは資産の守備力を上げられます。
もし通貨をドルと円に分散させていた場合の資産変動イメージは以下の通りです。
- 円安では資産のうち円の価値が下がるがドルの価値は上がる
円高では資産のうち円の価値が上がるがドルの価値は下がる
ね。ドルも持っていた方がリスクヘッジできるでしょ?
確かに守備力は上がるな
ドル資産はどうやって作るのか
証券会社では、円からドルへの転換(ドル転)をすることができます。
細かな方法について全て記載するのは難しいので、各証券会社HPの案内を参考にしてください。
ちなみにドル転をする際には、その時点での為替レートと手数料によってドル価格が決定しますので注意してください。
円安の時にドル転すると損するので円高時点が理想です
そんなん分からんやん
ですよね。安全にいくならドルコスト平均法でドル転するといいですよ
ドル転したら、アメリカの個別株やETFをドルで購入することが可能になります。
俺の使ってる証券会社は円決済しかできないんだが?
そういうとこも有ります
また、外貨建ての保険によってドル運用することも可能です。
ただし保険の必要性については投資とは別個で考える必要があります。
今後のドル円レート予想
今後のドル円レートはどうなっていくでしょうか?
なめくじの予想:円安
ズバリ緩やかに円安傾向が続くと読んでいます
先ほど日本が世界が認める経済大国と表現しましたが、今後その地位を確保し続けられるかは怪しいです。
むしろ少子高齢化、イノベーションが起きにくい制度/国民性、世界に例を見ないデフレ経験、異次元の金融緩和政策の後遺症などの理由により日本経済は衰退していくことが濃厚です。
これは非国民の発想やわ
ひどい…こんなに日本を愛しているのに…
また、富と才能というものは栄えているところに集まる性質があります。
確かに東京一極集中も改善どころか悪化してるしな
アメリカが世界の中心となる今のトレンドには、向こう数十年逆らえないと思っています。
ですので、これら2つの理由により円安ドル高傾向が続くと予想しています。
- 日本がこれから衰退していく
- アメリカがますます富と才能が集まることで栄えていく
正解は誰にも分からない
もしかするとなめくじの予想は外れるかもしれません。
何かしらの大きな変換点(戦争や他国の崩壊など)により日本が経済大国としての道を再び歩み始める可能性もあります。
とは言え、正確な未来など誰にも分かりません。
だから私たち投資家は、未来がどう転んでも傷口が最小限になるように準備をしておく必要があります。
だからドルと円でリスク分散をするということですね
最後に
いかがだったでしょうか?
円だけで資産形成をしていると、円安からくるコストプッシュインフレによって実質の価値が目減りする可能性があります。
ですので、「ドル資産」という視点を持つことは大切です。
本記事を読んで「ドル資産も持っておこうかな」と感じた方は、まずは仕組みがシンプルなドル転からチャレンジしてみてくださいね。
では次の記事でお会いしましょう!
またな
- ドルと円の価値はトレードオフ
- 円安からくる物価高対策が必要=ドル資産
- 個人的には今後円安傾向が続くと予想
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