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2021年の大規模な金融緩和や財政出動などもあり、アメリカ市場の伸びは目覚ましいものでした。

2020年頃に投資を始めたなめくじはおかげさまで含み益だらけです
その原動力となったのはGAFAMと呼ばれるテック企業です。
これら企業を中心としたNASDAQ100指数に連動するレバレッジNASDAQ100商品(以下、レバナス)は、登場するなりたちまち大人気となりました。
しかし2022年に入りNASDAQ100は失速し、レバナス保有者は現在大きな含み損を抱えています。

ひどい人は50%くらいやられているハズ
結局レバナスは欠陥商品だったのでしょうか?
それとも今は我慢時で、これから大きくジャンプアップしていくのでしょうか?
話題に登らなくなった2022年秋の今だからこそ、長期投資家がレバナスの価値を再考してみます。
結論
- 2022年秋時点でレバナス商品は3本
- 一般的に言われる弱み以外にも不都合を抱えている
- クセを理解した上でリスク許容度の範囲内なら投資余地あり
レバナスとは
レバナスとはテック(IT)企業を中心で構成される「NASDAQ100」と呼ばれるアメリカの指数に連動したインデックス投資”っぽい”投資商品です。
ただしレバナスのレバとは「レバレッジ」、つまり倍率がかかっていることを示しています。
現在のレバナスは全て2倍のものなので、もしNASDAQ100の価格が2倍になればレバナスは4倍となり、逆にNASDAQ100が半額になればレバナスの価格は1/4まで下落します。

厳密には違いますが、とりあえずおおざっぱに捉えてください
円建てで買えるレバナス商品
現在、円建てで買えるレバナスは以下の通りです。
- iFreeレバレッジ NASDAQ100
- 楽天レバレッジNASDAQ-100
- auAMレバレッジ NASDAQ100
ちなみに楽天レバレッジの愛称が”レバナス”であるため本来はレバナス=楽天レバレッジですが、ここでは一般名として扱います。

みんな全部レバナスって呼んでるからな
また、それぞれの商品の特徴は以下の通りです。


実際には分配金は出ず、ファンド内再投資していくと思われる
ちなみにそれぞれはNASDAQ100と同じ銘柄に投資している訳ではなく、ファンドが選定した銘柄やアセットに投資して、”結果的に”NASDAQ100の2倍変動を目指しています。
一般的なレバナスの注意点
レバナスでよく言われる注意点は、以下の通りです。
- ボラティリティが高い
- レンジ(もみ合い)相場や下落相場に弱い
- 手数料が高く長期投資に向かない
①ボラティリティが高い
レバナスはNASDAQ100の2倍の価格変動に連動するよう設計された商品です。
よって必然的に、その価格のボラティリティ(変動性)は高くなります。
またその参照元であるNASDAQ100も、分散は効いているとはいえ人気の指数であるS&P500やオールカントリー(MSCIなど)などと比べると広くありません。
つまりNASDAQ100という相対的にボラティリティが高い指数を更に2倍するため、かなりボラティリティが高くなると言えます。
ボラティリティが高いと資産額が激しく変動するため、日々の値動きに心が乱されやすくなります。
ですのでレバナスの保有には、含み損を抱えても気持ちに余裕が持てる資金力あるいは胆力が要求されます。

耐えきれなくなって売却すると損失確定、いわゆる退場です
②レンジ(もみ合い)相場や下落相場に弱い
レバナスはNASDAQ100指数の絶対値ではなく、”変動率”を2倍します。
つまりNASDAQ100指数が5%下落したらレバナスは10%下落します。
その後に価格が上昇したとしても、その時点で両者の価格は乖離していますので、また変動率をn倍したとしても更に差が開きます。
価格の上昇と下降を繰り返しながらも上昇基調であれば徐々にレバナスが高くなりますが、逆に下降基調となると相対的にレバナス価格の方が低くなっていきます。

これを逓増(テイゾウ)や逓減(テイゲン)という
2021年の右肩上がりの相場ではこの逓増によって一気に価格が上昇しましたが、2022年からは逆の逓減が効き過ぎたので、結果的に含み損を抱えている保有者がほとんどです。
これが「レバナスはレンジ相場や下落相場に弱い」と言われる所以です。

厳密には”下降基調の”レンジ相場や下落相場に弱い、ですね
③手数料が高く長期投資に向かない
レバナスは一般的なインデックスファンドと違い、投資会社が日々の値動きに連動するようにファンドのポートフォリオを調整する必要があります。

単純に投資額を2倍にしている訳じゃないからな
どの世界でもそうですが、人の手がかかればかかるほど人件費は増えていきます。
結果的にインデックスファンドと比べると、圧倒的に手数料(信託報酬や購入時手数料)が高くなります。

投資会社も儲けを出さないといけませんので…
ちなみにiFreeや楽天のレバナスは購入時手数料が実質無料なので信託報酬だけで比較できますが、auAMは購入時手数料がコスト計算に入ってくることに注意が必要です。
インデックス投資をしている人なら知っていると思いますが、長期投資で勝てる要素の一つに「手数料の安さ」があります。
一般的に人気とされているインデックスファンドの信託報酬は0.1%前後が多いので、レバナスでの0.44~0.99%の信託報酬は相対的に高いことが分かります。
信託報酬の差を仮に1%とし、毎月5万円×10年間を利回り4%運用という条件で計算すると、最終リターンは100万円弱ほど変わります。
これが長期投資では手数料の安さが正義とされる理由です。
本当は隠れコストの計算も必要
日本の投資信託は、手数料以外にも運用報告書でのみ確認できる隠れコストが存在します。
詳細な説明は省きますが、この隠れコスト+信託報酬が実質のコストとなります。
実質コストはiFreeが1.16%ですが、2022年11月時点では楽天、auAMともに不明です。
iFreeの実質コストを勘案すると、信託報酬+0.2%くらいに捉えてもいいかもしれません。

実質コストは運用歴が1年以上経たないと分からないぞ
更に検討すべきレバナスの注意点
レバナスには、先の3点以外にも注意すべき問題があります。
それぞれ順に見ていきましょう。
為替ヘッジありの影響
現存するレバナスは全て為替ヘッジありの商品で、そこには以下のようなヘッジコストが発生します。

ファンド全体としてのヘッジコスト率を計算することは不可能ですが、時代により年率1%程度はリターンが削られる可能性があります。
逆に言えば「日本の短期金利>アメリカの短期金利」であれば、リターンにヘッジプレミアムが上乗せされます。
しかし日本とアメリカの現在および未来の経済状況を考えると、プレミアムとなるのは残念ながら期待薄かもしれません。

なめくじには日本の短期金利がガッツリ上がる未来は見えません
心理的ダメージの大きさ
前述した通りレバナスはボラティリティが激しいため、通常のインデックスファンドよりも大きな含み損率となる可能性があります。
例えば楽天のレバナスに2022年の頭に一括投資した場合、その保有者は-59.7%もの含み損を抱えたことになります。
つまり、もし年初に一攫千金を狙って1000万円投資してたら、手数料合わせて600万円を失った計算です。

退職金突っ込んだ人は今ごろ吐きそうな毎日送ってるやろな

投資では損切りの早さと同じくらいに、上昇を信じて我慢する(=退場しない)ことも大切です。
楽天レバナスが誕生した直後はTwitter界隈でレバナスブームが起きていましたが、現在レバナスへの投資を続けていると公言している人はめちゃくちゃ減りました。

多分ですが、少なくない数の投資家が-20~-40%で退場したと思います

ひよのさんが投資し続けてるのは、さすがレバナス系インフルエンサーやな
そういった投資家心理という点から、レバナスは非常にハードルが高い投資であると言えます。
投資信託なので売却に時間がかかる
現在運用されているレバナス3種は全て投資信託です。
投資信託はETFと比べると約定(=購入)も遅いですが、売却時はそれに輪をかけて遅くなります。

売ってくださいと頼んでから5日~7日くらいかかります
つまり自分で最適な売却タイミングを選べず、最悪の想定としては売却までの数日間に暴落を起こしたらリターンが一気に悪化する可能性があるということです。

もちろん逆にその数日で暴騰するかもしれんがな
ちなみに近日、大和アセットマネジメントからレバナスETF(2869:iFreeETF NASDAQ100レバレッジ)が誕生します。
”この商品であれば”、レバナスの売却タイミングの遅さというデメリットは無視できます。
レバナスは失敗商品だったのか?
さて、レバナスは本当に失敗商品だったのかを考えてみましょう。
2022年秋現在では、先発のレバナス2種(iFree、楽天)は2022年の下落相場にあって、40~50%の含み損を出すレベルで大爆死中です。

7月に出たばっかりのauAMですら-25%です
しかし短い期間を切り取っただけで失敗、成功を論ずるのはあまり意味がある行為とは言えません。
とはいえ、各種レバナスは運用開始されたばかりですので過去の実績で評価する訳にも行きませんので、違う角度から考えてみます。
なお、紹介する考え方は主に私の好きな投資分析系YoutuberであるS&P500最強伝説さんを参考にしています。

内容自体は理解できるが実際のシミュや計算は自分じゃできんからな
シャープレシオで評価する
シャープレシオとはどれだけリスクテイクを少なく、効率的にリターンを得られたかの指標です。
シャープレシオが優秀ということは、同じだけのリスクを取っても相対的にリターンが大きいということを意味します。

計算式はややこしいので割愛します
このシャープレシオに着目して検討されているのが以下の動画です。
最強シャープレシオ投信を計算してみた動画【S&P500 vs VTI vs レバナスほか】
動画内では全ての指数で計算されている訳ではありませんが、レバナスのシャープレシオは2001年~のデータではS&P500より少し上でVTIとほぼ同等という結果が示されています。

VTIは米国株全体の指数に連動したETFや
要はレバナスはボラティリティが激しい以上にリターンがめちゃくちゃ大きいため、シャープレシオとしてはS&P500より優秀ということです。
もちろんこれはS&P500より安心して保有していられるという意味ではなく、どちらかというと日々の値動きの激しさをハラハラしながら見守ることにはなります。
ちなみに日経平均は米国指数のいずれからも大きく劣るため、シャープレシオという観点からは日経平均連動型ファンドに投資する価値は無いと判断できます。
なるべくギャンブル性を低下させる
レバナスはボラティリティが高かったり逓減が起きたりするなどの特性上、どうしても勝ち組負け組が2極化するギャンブル投資=投機となりやすい商品です。
このギャンブル性を排して、なるべく長期投資に向いている形にはできないか?という検討をされているのが以下の動画です。
他にはない本気のレバナス分析したらギャンブル性が見えたので対策する
ここでは統計に関する計算式などは無しにして、結果だけを紹介します。
過去からレバナスにとって不利な条件を抽出した計算では、最頻値を悪化させない倍率は1.3倍以下で中央値を最大化させる倍率は1.9倍だそうです。
つまりなるべく損を出す人を少なくするためにはポートフォリオ全体で1.3倍以下に設定し、また”ロマンを求めて”リターン中央値を最大化するには1.9倍に設定するべきということです。

1.3倍設定はPF内のNASDAQ連動ファンドとレバナス比率を調整すればOK
またNASDAQ100指数が誕生以来のデータを使用して同様に試算すると、前者は1.8倍で後者は2.7倍となるそうです。
つまり、NASDAQ100が2条件の中間程度に今後も成長すると仮定するのであれば、レバナスの2倍というのは悪くはない倍率であると判断できます。
MACDで売買タイミングを判断する
kazuma .【レバナスでFIREを目指す27歳】さんやレバナス1本リーマンさんは、ファンダメンタルズ以外にもテクニカル指標であるMACDに着目して売買タイミングを計っています。

リーマンさんは企画上、暴落が分かってても売ってないみたいですが
これはつまり、月足のMACDと呼ばれるテクニカル指標がゴールデンクロスした時点で買い増ししたり、デッドクロスした時点でリスクオフとして売却を検討するという考えです。
MACDが分からないという人は、株価や基準価額の上昇トレンドと下落トレンドの転換点を判断する指標の一つとして理解してもらえば大丈夫です。

MACD”だけ”で判断するかは別問題だがな
ただしなめくじのような長期投資一本槍で資産形成をしようとしている人間としては、テクニカル指標を交えるのは難易度が高く、また投資思考にノイズが入る危険性があります。
結局のところ、簡単にお勧めできるような考え方では無いようになめくじは感じます。
リスク許容度から考える
人によって大きく異なり、一番ややこしい考え方がリスク許容度です。
これはその人その人のライフプラン・家族構成・資産状況・健康度など多岐に亘る要素で構成されています。
ですので、例えば投資額は〇〇%まで!とか〇〇円まで!という具体的な数字は出せません。

生活がギリギリの人なら、月1万円投資でもリスク許容度を超えます
またリスク許容度には上記の経済的要因以外にも心理的要因もあります。
例え1億円の資産があったとしても50万円以上の損失が気持ち的に受け入れられないのであれば、レバナスに投資できる金額はせいぜい75~100万円程度でしょう。
逆にNASDAQ100の成長を信者レベルで確信している人にとっては、100万円中100万円投資してもOKということになります。
投資に絶対は無いのは周知の事実ですが、リスク許容度に関してはそれ以上に決まった正解はありませんので、こればかりは各自で考える必要があります。

発信者が散々煽っといて「でも自己責任でね」って結ぶのはこれが理由や
NASDAQ100の安全性や成長性を考える
現在NASDAQ100はご存知の通りGAFAMが中心となって牽引しています。
しかし最近ではGAFAMを構成するMetaが大暴落を記録しました。

2連続決算ミスをしたせいで、市場からの信頼を失いつつあります
この先もMetaが暴落を続けるかは分かりませんが、もしそうなっても他の巨大企業が台頭するだけです。

NASDAQ100は時価総額加重平均型指数やからな
結局のところ毎年銘柄入れ替えを行い新陳代謝が激しいNASDAQ100がズルズル沈んだままというのは、考えにくい未来と言えます。
またNASDAQ100はS&P500とや全米投資と比べると選定銘柄数が少ないものの、100銘柄は数・セクターともに十分分散が効いていると考えています。
また現在主軸となっているのはテクノロジーセクターですが、この先の未来でテクノロジーを活用しないことはあり得るでしょうか?
人類の生活は人間の「より便利に、より豊かに」という欲を原動力に向上します。
この基本原則を考えると、テクノロジーセクターは我々にとって今以上に大切なものになっていくはずです。

ネット関連は現時点で、すでにインフラやからな
もしテクノロジーセクターが衰退するとしたら、第3次世界大戦で核戦争が起きた後の北斗の拳のような世界になった時でしょう。

その時にはそもそも株式市場は存在してないでしょうけどね
レバナスはクセは強いが悪い商品ではない
総合して考えた上で現時点のなめくじは、レバナスは悪い商品ではないと判断しています。
つまり商品の性質を理解し、自分のリスク許容度の範囲内で投資すればNASDAQ100というつよつよ指数の恩恵を最大限受けられるからです。
さすがにレバナスにフルインベストというのはリスクを取り過ぎているように思いますが、サテライト投資としては十分検討に値するでしょう。
ただし投資や経済の知識、それにリスク許容度という自分への理解が求められることから、投資に慣れた人のみ考えるべきです。

少なくとも初っ端で取る選択肢ではない
なめくじはこの先どうするのか?
さて、今まで解説した材料を踏まえてなめくじがどうするかを紹介します。

あくまで”現時点で”考えているってだけですよ
ちなみになめくじは2022年11月段階では、レバナスは一切保有していません。
NASDAQ100連動型ファンドとしては2020年のコロナ大底でQQQへ投資していますが、以降は追加投資はせず凍結中です。
なめくじは現在、10年以内でのFIRE達成を目指しています。
現時点でのライフプランでは大きく投資でリスクを取らなくとも達成可能ですが、できたら達成までの期間を短縮したいと考えています。

人生を楽しむために体力があって健康な状態でFIREしたい
そのためには、ある程度踏み込んだリスクテイクをする必要があると考えています。
しかしすでになめくじ自身がローンを組んで起業というレバレッジをかけた大きなリスクを取っているので投資で全力する訳にはいきません。
そこで保有金融資産額でいうところの5~10%程度をレバナスで満たそうと考えています。

自分のリスク許容度ではサテライト投資が限界と分析しています
現時点では75~150万円ほど投資は可能ですが、心理的安全マージンを取って最初は50万円程度の投資になろうかと思います。
この金額をNASDAQ100の底もしくは底前後で、一括か数回に分けて分散投資をする予定です。
具体的な投資タイミングは言い辛いですが、FOMC発表などファンダメンタルズを中心に注視しつつ、アメリカがリセッションを迎えるであろう2023年春以降になると予測しています。

それまでは引き続き投資やマクロ経済の勉強を続けます
最後に
いかがだったでしょうか。
暴落を通り越して爆死と言える状態の今だからこそ、レバナスを冷静に評価してみました。
あくまで本記事は金融工学素人のなめくじが分析した内容になりますので、信じる信じないかは全くの自由です。

むしろ盲信されても困る
個人的には、投資に慣れている人がリスク許容度の範囲内でレバナスに投資するのはありだと考えています。
とは言え、ボラティリティが高く通常のインデックスファンドと比べると扱いにくいのは確かですので、投資するかどうかはどうぞ冷静に判断してみてください。
本記事の内容が皆さんの今後の投資ライフにとって、少しでも参考になったら幸いです。
最後に、意見を引用させていただいたYoutuberの方々にこの場を借りてお礼を申し上げます。

では次の記事でお会いしましょう!

またな
- 2022年秋時点でレバナス商品は3本
- 一般的に言われる弱み以外にも不都合を抱えている
- クセを理解した上でリスク許容度の範囲内なら投資余地あり
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