なめくじ夫婦が仕事の関係で新大阪から茨木市に引っ越して、そろそろ2年が立とうとしています。
時間が経って我々もそれなりに街にも馴染んできた感覚があります。
そこで茨木市への引越しを考えている人や、大阪の中で住みやすい街を探している方に向けて茨木市のデータや住んでいる実感を紹介しようと思います。
本記事は茨木市住民による忖度抜きの感想を書いていますので、全部読んだ頃には街の雰囲気がよりリアルにイメージしやすくなります。
住民の実感を知っておくときっと役に立つと思いますのでどうぞ最後までお付き合いください。
結論
茨木市とは
大阪府茨木市は、吹田の北側かつ高槻市の南西側に位置する都市です。
京都寄りの大阪といったところ
総人口は2022年9月時点で29万人弱で、少子高齢化の中では珍しく現在でも微増を続けています。
ちなみに外国人割合は1.4%とかなり少なめです
市内にはJR線と阪急線、大阪モノレールが通っており、各種バスや自動車道など交通網がかなり発達しているため、大阪市のベッドタウンになっています。
市の財政について
市の財政を知ることも大切です。
赤字続きの市では将来公共サービスが低下したり、市税額が高くなる可能性がありますからね。
市の財政は大赤字を出している訳ではありませんが余力が大きい訳でもなく、市債ー基金等の額(要は市民への借金額)は北摂7都市中で4位です。
市税額は、同都市比較でちょうど中間の額に位置します。
総合すると無難に運営してると言っていいだろう
茨木市は住みやすい街なのか?
答えはYesです。
引っ越し前の新大阪から比べると劣る部分も確かにありますが、良くなったポイントが多くありますのでトータルでは満足しています。
茨木市の良いところ
交通の利便性が高い
茨木市にはJR線、阪急線、大阪モノレール線が通っており、また高速道路のIC/JCTが近いことも含め交通網が十分に発達しています。
車を持っていればちょっと遠出とかはかなり楽です
電車網はだいたいの地域で1-2wayですが、一部の地域のみ3wayとなります。
立命館大近くの新中条町辺りは交通の便最強やな

茨木市は南北に長く伸びていますが、市街地は南側1/3の意外と狭い地域です。
その市街地のうち南東の方面(GoogleMap航空写真で見た畑方面)にさえ攻め込まなければ何かしらの鉄道ラインが確保できます。
茨木駅からJR大阪駅へは快速13分・各停17分ですので通勤圏内としては現実的な数字です。
阪急梅田駅まで大阪モノレール線宇野辺駅から行く場合は32分以上かかるので少し大変です。
阪急梅田駅まで阪急茨木市駅や阪急南茨木駅からだとそれぞれ17分以上、18分以上ですのでこちらは有りでしょう。
JRが通っていますので、新幹線の起点となる新大阪へのアクセスが簡単なのも嬉しいポイントです。
飛行機の起点としては伊丹空港が最寄りで、大阪モノレール線宇野辺駅から22分とこちらも良好なアクセスです。
他に、駅周辺や鉄道圏外のエリアではバスが利用できます。
車の動きとしては吹田市との境に吹田IC/JCTがありますので名神高速道路や中国自動車道、近畿自動車道へのアクセスがしやすいという特徴があります。
市街地であれば、総じてかなり交通の便が良いエリアと言えます
濃ゆい人がいない
北摂の特に茨木や高槻エリアは転勤族が多いと言われています。
そのせいかは分かりませんが、名物おじさん・名物おばさんみたいなコッテリとした人は街中で見かけません。
世代的な動きのある住宅街という様相で比較的若いカップルや家族も多く見受けられますので、あっさりとした人間関係を好む人が多いのかもしれません。
東京方面からの引越しなら雰囲気は馴染みやすいかも
あまり大阪の下町感は無いです
新大阪に住んでいた頃は深夜に酔っ払いの鳴き声や良く分からない喧嘩声、悲鳴などが聞こえることも有りましたが、茨木市で経験したことはありません。
また、(少なくとも)住宅街でホームレス風の方はまず見かけません。
強いて言えば、空き缶積んで自転車漕いでいるのを阪急線の高架下の道路で時々見かけるくらいです。
吹田市や高槻市より地価が安い
吹田市や高槻市と比べると茨木市の地価(賃料も)は低い傾向にあります。
当然エリアによっては逆転することもあるがな
「吹田市や高槻市への引っ越しも考えているけど予算が…」という方には茨木市は十分選択肢に入ってくるでしょう。
更に予算を抑えたい場合は摂津市を検討することが可能です。
ただし摂津市は淀川に近く、万一の増水→氾濫があった際は大部分が水没しますので注意しましょう。
川の近くが安いのはそういうことです
ベッドタウンとして十分な商業施設
スーパーやドラッグストアは必須の商業施設であることに異論は無いと思いますが、茨木市の市街地であればどこにでもあります。
茨木市にはイオンモール2店舗、イオンスタイル1店舗ありますので、「生活に必要なものは市内で済ませて、それ以上のことは梅田に求める」という生活スタイルになるでしょう。
また、飲食店が多いのがベッドタウンとしては嬉しい点です。
ちなみに居酒屋系店舗はJR茨木駅周辺よりも阪急茨木市駅付近のほうが豊富です。
呑み助の方は「阪急茨木市駅のやや西側」近くに陣取ると一番幸せになれるでしょう。
ラーメン激戦区と呼ばれる茨木で、お店が集中しているのもココです
もし車があれば、吹田市の万博記念公園「エキスポシティ」を利用するも便利です。
エキスポシティとは複合商業施設で、イオンモールみたいなものと思ってください。
ただしエキスポシティへ自転車で行く場合は、市街地から山(丘?)を超える必要がありますので地図上の距離以上に移動は大変です。
ここ数年安さで人気の業務スーパーは、市内に3店舗と十分有ります。
Costcoは京都八幡倉庫店と尼崎倉庫店が最寄りで、わずかに京都八幡倉庫店のほうが近いですがどちらも車移動(30〜40分)が必須です。
美味しいラーメン屋さんが多い
なめくじはラーメン屋巡りが趣味ですので、ゴリ押しで茨木市の良いところに入れます。
興味ない人は飛ばしてOK
ラーメン激戦区と言われる茨木市には、有名で美味しいラーメン屋さんが多数あります。
行った限りでの一番の行列店は「麺や 紡」と「ラーメン荘 地球規模で考えろ 〜未来へ〜」です。
どちらも30-60分の待ちを覚悟する店です。
この2つの店はエリア外からも食べに来るレベルの有名店です。
「田村家」にはまだ行けていませんが、かなりの確率で行列が出来ている人気店です。
それ以外にも、「らーめん鱗 茨木店」、「麺屋 一慶」、「茨木きんせい」など塩で強いラーメン屋が多い印象があります。
「ちゃあしゅうめん ゆうらい」も長年愛される確かな実力がありますし、中毒者には安心の「天下一品」も、運送業の人にはお馴染み「ラーメン魁力屋」も存在しますのでご安心ください。
姫路発祥のこってり豚骨「ずんどう屋」もオープンしました
個人的なオススメは以下の通り。
また2022年には、田村家の近くに珍しく朝ラーができる「麺燦燦」がOPENしました。
エリアはズレますがその後にも塩元帥出身の「鶏そば 16」もOPENしています。
それ以外にも、2021年にできた「らー麺 朝日屋」はオーソドックスなまぜそば食べたい欲を満たしてくれるでしょう。
ラーメンではなくちゃんぽんしたい人は、イオンモール茨木店内の「長崎ちゃんぽん リンガーハット」、「ラーメン熊きち(注:吹田市)」に向かいましょう。
「ラーメンよりうどん派だよ」って場合は「手打ちうどん ひだりうま」か、安定のチェーン店「はなまるうどん 茨木上穂積店」に進んでください。
ひだりうまのとり天は今まで食べた中で一番美味しかったです

市街地中心部に行政施設が集中
市街地の中心部(JR茨木駅〜阪急茨木市駅周辺)には各種の行政施設が集中しています。
警察署、税務署、市役所、ハローワーク、簡易裁判所、保健所、労働基準監督署などなど。
生活していく上で、どこかで何かしらお世話になるのでアクセスがいいに越したことはありませんよね。
その点、茨木市の市街地に住む限りは、どこであっても似たような距離感でアクセスすることが可能です。
まとまってるから便利
ただし各施設が中心部にある影響で駐車場が狭く、混んでいる場合は空きが出るのを待つこともあります。
ちょいちょい自然がある
日々のリフレッシュだったり、子供の情操教育のために自然環境は欲しいですよね。
茨木市は都市部とも郊外とも言いにくいエリアですが、それなりに自然があります。
茨木市では万博記念公園(正確には吹田市ですが)が散歩コースで、安威川周辺が散歩(犬含む)やサイクリングコースなどで人気です。
他にはバラ園、岩倉公園や桑田公園、水尾公園も人気ですね。
天候の良い日には親子連れやカップルのピクニックで賑わっています。
2022年秋時点では、コロナ禍での各種制限はほぼほぼ終了しています
キャンプを楽しみたい人には、箕面・京都亀岡・生駒方面など各種キャンプ場へのアクセスが良好なのも魅力です。
滋賀の琵琶湖はいけんこたないが、ちょっと遠い
静かで空気が綺麗(一部例外あり)
茨木市の山間部はもとより、市街地も意外なほど静かです。
なめくじが直前まで新大阪に住んでいたのも影響が大きいでしょうが、明らかに騒音のレベルや空気の汚染度が軽いです。
幹線道路沿いや線路沿いはさすがに多少うるさいですが、住宅街に入ると一気に音が静まるイメージです。
これは住宅同士が住宅地で密集していることが理由と考えられます。
住宅街内部の生活道路には住民以外の車があまり入ってきませんので、排気ガスも少なくなります。
ですので幹線道路沿いさえ避ければ、洗濯物が外に干しにくいような状況はよっぽど無いと思われます。

茨木市の悪いところ
市街地以外が不便
- 北の山間部
- JR茨木駅から見てE1(高速道路)の向こう側
- 若草公園から茨木ドライビングスクールを結ぶラインの東側
- 鮎川

駅まで自転車15分圏内から外れる上記のエリア(青丸)は車やバイク、原付などがほぼ必須の生活になります。
リモートワーク主体なら大丈夫ですが、それなりに電車通勤が必要な場合は上記エリアはちょっと苦しいかもしれません。
大人しく中心部に住もう
上記のエリアでもバスが巡回していることは多いですが、どうしても移動能力は落ちてしまいます。
ちなみに万博公園とその上の山の間は、地図上は大丈夫そうに見えますが、キツイ坂が出てきて見た目以上に自転車移動がしんどくなりますので注意してください。
近くの人気エリアである吹田市千里丘もそうですが、山や丘の地域ではせめて電動自転車を用意しましょう。
普通の自転車オンリーだと家族の誰かが限界を迎えます
交通マナーが悪い
交通マナーは正直言って悪いです。
しかしこれは茨木市に限りませんので、大阪全域の問題かもしれません。
大阪は基本的にむちゃくちゃやりよる
悪いとは言え、下町と比べると全然マシなのが悲しいとこです
基本的に車は大人しいですが、バイク(原付含む)や自転車の交通マナーが非常に、非常に悪いです。
マナーの悪さ順でいうと『自転車>>バイク・原付>(超えられない壁)>車=歩行者』という感じです。
特に自転車のマナーの悪さには、大阪以外から引っ越してきた人は最初は多分ビビるでしょう。
「どうしてここで突っ込んでくるの?!」っていうタイミングや場所で、野生の自転車が飛び出してきます。
後ろノールックで斜め横断するジジババ自転車も多過ぎる
府外の方には伝わり辛いかもしれませんが、自転車は基本的に「車が避けるやろ、自転車優先やぞ」みたいな感じで運転しています。
車やバイク類の運転を検討している方は、慣れるまで覚悟しましょう。
また自転車同士や歩行者対自転車でも十分な注意が必要です。
逆に大阪の、特に下町で育った人にとっては違和感が無かったり穏やかに感じると思います。
駅周辺の駐輪場確保が大変
多くの人は仕事やお出かけでは自宅から自転車で最寄りの駅に行き、そこから電車で移動になると思います。
そこで必要なのが自転車の駐輪場なのですが、自転車使用人口が多いせいか月額の駐輪場契約を取るのがかなり困難です。
ただし、一時使用(¥100〜150/日)であればなんとか通勤時間帯も使用できます。
※通勤時間帯以外の一時使用は全く問題ありません。
ただし一時使用だとちょっと割高
駐車場代が高い
駐車場代が高いのは人口が多いエリアでは仕方ありませんね。
金額の目安としては¥10,000〜15,000/台/月です。
コインパーキングの利用料金も、土地代に比例していると思って差し支えありません。
東京と比べると全然マシだとは思いますが…
戸建ての駐車場があったり、建てる予定の場合はもちろん気にしなくてOKです。
茨木市の治安
実際に住むとなると治安も気になるところですよね。
女性や子ども連れだと特にな
茨木市の治安はどうなんでしょうか?
残念ながら大阪の治安そのものがダメ…
都道府県別の令和2年度の刑法犯認知件数/人口比率(以下:犯罪比)は、全国平均が0.49%で大阪が0.77%です(政府統計から算出)。
日本全国で見た場合、大阪の治安は悪いどころか全国最下位です。
まあそんな気はしていました
茨木市の治安
日本☆地域番付様の調べによると茨木市の犯罪比は約1.7%、大阪74エリア中51位(2010年データ)、スマイティ様の調べによると犯罪比1.79%大阪72エリア中50位(2008年データ)です。
両者一致しているので信頼度は高そうですが、これは古いデータです
現在の大阪府の犯罪件数は2008年付近からおよそ1/3程度に減少してますので、単純計算すると現在の犯罪比は0.6%付近と推測できます。
※大阪府内の令和2年度市町村犯罪データが公表されていませんので詳細は不明です
残念ながら全国平均と比べると犯罪比は高くなっています。
似たような数字を挙げると東京都の0.59%や埼玉県の0.61%になります。
大阪府全体では0.77%ですので、これでも大阪府内では比較的治安の良い部類であることが分かります。
同様に隣接エリアを計算すると、吹田市が0.53%、箕面市が0.53%、高槻市が0.41%、摂津市が0.64%、豊能町(とよのちょう)が0.11%となります。
豊能町だけは立地条件が特殊ですので、一概に比較はしにくいかもしれません。
誤解を恐れずに言えば、地価や世帯収入の高さが犯罪比に反比例している印象です。
どこでもこういう傾向はあるよね…
住んでいる実感としての治安
机上の空論だけではなく、住んでいる実感もお伝えしましょう。
実際には、少なくともなめくじの行動範囲(中心部からはやや離れている)では特に問題ありません。
一部の生活道路が暗い部分はありますが、夜9時台でも比較的人通りがあり、そこまで通るのが怖い印象はありません。
女性一人や女性同士でも割とバンバン歩いています
また中心部では店関係も多いことから、大部分の道路で照明がしっかり照らされています。
それに中心部は警察署が近いというのも影響するのか、警察車両(車、バイク)の巡回はとても多く安心して生活できます。
市街地から外れたエリアは、住んでないから分からん
少なくとも犯罪や事件を臭わせるような警察車両の停まり方は見かけたことがありません。
茨木市のハザードマップ
大阪府に住んでいると南海トラフ地震の時に大丈夫か心配になりますよね。
茨木市が公表しているハザードマップを紹介しますので、気になる人はどうぞチェックしてください。
淀川や安威川から離れている市街地北部は洪水被害が低いものの高震度帯に入っていますし、市街地南部はまったくの逆パターンです。
最初に結論をまとめると、何の被害軽減(回避)を優先するかという話になっていきます。
地震の揺れ
地震防災マップを参照しましょう。
マップによれば、市街地と山間部のちょうど中間地点で震度が高く予想されていることが分かります。
市街地南東部のほうは比較的揺れが弱そうです。
水害・氾濫
茨木市には淀川水系の安威川(あいがわ)が市街地をズバっと縦断しているため、安威川の氾濫被害が一番大きく想定されます。
安威川が氾濫したときのマップの右下図が比較的分かりやすいかもしれません。
地域別や氾濫する川別に細かく見たい場合は茨木市HPを参照してください。
土砂災害
土砂災害は茨木市北部の山間部に集中しています。
市街地には被害エリアがほとんど存在しませんが、必要な方は土砂災害全域図を参照ください。
最後に
茨木市は新大阪や伊丹空港など交通の要所へのアクセスもいいですし、梅田へも行きやすい街です。
駅近の駐輪場が足りない問題や車が必須なエリアがあるなどの欠点もありますが、地価・商業施設の充実性などから考えると住みやすい街と言えます。
大阪府内で言えば比較的治安の良いエリアですので、どうぞ引っ越し先や戸建て購入の際には茨木市も候補地として検討してみてください。

住んでみて良いエリアということは、なめくじが保証しますよ。
では次の記事でお会いしましょう!
またな!