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- ADHDと診断された、もしくはADHDの傾向がある
- ADHD特性から来るトラブルを何とかしたい
世の中には意外なほど成人期ADHDやADHD傾向(疑い)の方がいます。

2012の疫学調査では5%程度がADHD疑いとされたようです
成人期ADHDの傾向を持つ方は様々な強み・特性がある反面、忘れっぽいなど社会生活を送る上で不便な特性を持っています。
ADHD傾向のなめくじが経験する日々のトラブルと、トラブルが起きないように気をつけていることを共有したいと思います。

ちなみになめくじは社会生活を営めるレベルなので診断はつきません

”傾向がある”って程度やな
本記事の内容がADHDまたはADHD傾向の人にとって、日常を過ごしやすくなる助けになれば幸いです。
結論
- ADHDとは注意欠陥・多動性障害
- 不注意優勢と多動・衝動優勢の2タイプが混在するイメージ
- 特性を治すことは不可能だがある程度のトラブル対策は可能
成人期ADHDのおさらい
成人期ADHDとは注意欠陥・多動性障害(Attention-Deficit Hyperactivity Disorder)という大人の発達障害のことを指します。
ADHDの特性は「不注意・多動性・衝動性」の3つに分けられます。
一般には「不注意優勢」と「多動・衝動優勢」というタイプに分類されます。
実際にはそんなパキッとは分かれずに、それぞれの特性が強弱ついて発現しているイメージです。

例えばなめくじは「多動性・衝動性」>「不注意」です
成人期ADHDの特性別問題点と対処法
成人期ADHDのタイプ「不注意優勢」「多動・衝動優勢」について、それぞれ具体的なトラブルエピソードと対策をまとめます。
ご自身のみならず、近しい人がADHDもしくはADHD疑いの場合にも対処法として役立ててください。
不注意優勢
不注意から来る具体的なトラブルと対処法は以下の通りです。
- 忘れ物や失くし物が多い
- 時間や期限を守れない
- 気が散りやすく一つの物事に集中できない
- ケアレスミスが多い
①忘れ物や失くし物が多い
不注意優勢では、忘れ物や失くし物が異常に多く発生します。
どれくらい多いかと言うと、1日数回は忘れ物で困ったり失くし物と格闘するイメージです。

なめくじはこれが当たり前だと思っていました

忘れ物が無いのは「しっかり者」じゃなくて「普通」なんだよなあ
異常な量の忘れ物や失くし物は「物を無意識のうちに、その辺にぽいぽい放置すること」が大きな原因です。

”どこに置いたか分からない”じゃなくて、置いたかどうかすら分かりません
無意識の行動をコントロールするのは難しいですが、なるべくルーティンの行動を体に染み込ませましょう。
そして同時にアイテムごとの置き場所を決めることで、忘れ物や失くし物をする確率を大きく下げることが可能です。
例えば家に帰ったり仕事場についたりしたら「鍵と財布はココ、カバンはココ」などすぐに置く行動を徹底することで失くし物をかなり防げます。
また失くしやすい小物類は目立つカラー(彩度高めのパキッとした赤など)を選ぶのも見つけやすくなります。

失くす前提かい

失くさないとか無理ですもん…目薬なんか使い切るまで5回は失くします
忘れものを減らすためには、アホみたいですが家を出る前に毎回指差し確認することが有効です。

なめくじ(37歳)は毎日玄関で両ポケットをパンパン叩いて持ち物確認しています
普段と違うイレギュラーな外出時では、致命的な忘れ物をする危険性が高いです。
できたら周りの人が持ち物を細かく確認してください。
1人の場合は、前日などの気持ちにゆとりがある時に持ち物をメモしておきましょう。
②時間や期限を守れない
残念ながらADHD傾向があると、時間や期限をきっちり守ることができません。
ギリギリまでは覚えているのですが、例えばいざ外出とかいざ提出などの直前になると他のことに気が逸れてしまいジ・エンドです。

テスト勉強しようと机に向かうと掃除が始まる現象の強化版です
このトラブルは衝動性も絡んで、周囲からは「計画性の無さ」と見えることがあります。
これを「しょうがない・周りが理解してよ」で片付けては社会人として失格ですので、何とか対策を練りましょう。
お勧めは自分を騙して本当よりも少し早い時間や期限を設定することです。

メモった後は、どうせ期限を早めたことも忘れるからな
また口約束だけしてスケジュールにメモしておかないと高確率で忘れます。
ですのでタスクの時間や期限が判明したら「その場で」記入することが大切です。
後で書いておこうと思った瞬間に敗北が決定しますので、すぐに記入してくださいね。
そうしてきっちりメモしたスケジュール帳やカレンダーを必ず毎日見る習慣を付けておきましょう。
ちなみに期限の管理方法としてはお勧めなのは、スマホやPCアプリの「Googleカレンダー」です。

自動的に前日と当日にリマインドがかかるのも便利です
③気が散りやすく一つの物事に集中できない
注意が散漫になりやすいのもADHDの特性の一つです。

これは研究者や経営者などではプラスに働く特性や
大きな音や目立つ絵などの外界刺激は、知らずに思考の連鎖を引き起こし本来集中すべきことから目を逸らす結果となります。

訳分からないタイミングで1人連想ゲームが始まるイメージです
よって、注意散漫を防ぐためには外界からの刺激をなるべくシャットアウトすることが必要です。
もしあなたの普段いる場所で可能であれば、ノイズキャンセリングのイヤホンをつけることをおすすめします。
外部の雑音がかなり減って作業に集中しやすくなります。
また何か気になる物が見えたら思考の連鎖が始まりますので、視界にそもそも物をなるべく置かないことも効果的です。
作業場所を普段からきっちり整理しておいて、余計な物を置かないことも効果的でしょう。

小物類や家具の配置もなるべくコロコロ変えない方が無難です
④ケアレスミスが多い
今までの①〜③を混ぜ込むと「ケアレスミスが多い」という表現になります。

これでクビを切られることが多いんやろな
仕事上のケアレスミスは、ADHDへの理解に乏しい人にとっては「仕事を舐めてるだろ」という疑念に繋がってしまいます。
この対策については2つあります。
1つ目は、シンプルにめちゃくちゃ気を付けること。
全部無くせはしないでしょうが、何重にも自分で確認するクセを付けることでケアレスミスは減らすことが可能です。
また都度チェック方法を試行錯誤するよりは、ルーティーンとして同じやり方を体に染み込ませた方がチェックの成功率が上がります。

バスの運転手が指差し確認を徹底しているのと同じ理屈です
2つ目は、文句を言われないくらい結果を出すことです。
ADHDというのは組織や社会の構造上マイナスが大きいのは事実です。

まずサラリーマンに向いてないんよ
しかし結果を出せば、ある程度は周囲から目こぼしをしてもらえます。
イメージは「イージーミスで20万円の損失は出すけど、コンスタントに100万円は売り上げてくる」みたいな結果の出し方です。

家庭で言えば、「片付けはできないけど、めっちゃ愛してくれる」とかです
結局のところ大人や社会人というのは総合評価です。
どこかでマイナスが出てもそれを補ってあまりある結果が出たら、周囲は納得します。
ADHDの弱点はADHDの強みによってカバーしましょう。
多動・衝動優勢
多動性・衝動性から来る具体的なトラブルと対処法は以下の通りです。
- 常にそわそわ動いたり貧乏ゆすりをしたりする
- 周囲と協調して動くのが難しい
- 重要なことを独断で決めて動いてしまう
- 相手の話を遮って喋り出す
- 衝動買いが多い
- すぐにイライラしてしまう
①常にそわそわ動いたり貧乏ゆすりをしたりする
ほとんど無意識の動きですので、これを抑えるのは正直言って難しいです。

抑えるのは諦めましょう
しかしそわそわ動き続けていると、職場や家庭でナイーブな人にストレスを与えてしまう危険性があります。
貧乏ゆすりで靴の擦れる音や椅子のきしみ音がなるべく出ないように、消音マットを引くなど周囲へ配慮している姿勢をアピールしましょう。
自分がADHD(疑い)で、多動を抑えられないことを理解してもらう努力も必要かもしれません。

これで周囲に納得してもらうには、多分医師の診断が要る
逆に周囲との人間関係が良好に保てられたら、貧乏ゆすりくらいは多めに見てくれます。
周りの人の信頼を勝ち取るよう、仕事なり家庭なりでしっかりと結果を出していくのも重要でしょう。
ちなみに「スクイーズ」と呼ばれるおもちゃをニギニギしていたら、他の動きが多少収まるかもしれません。
②周囲と協調して動くのが難しい
ADHDは衝動性も相まって周囲と協調して動くことを苦手とします。

複数人で買い物しててもフラフラ勝手にどっか行く人は怪しいです

気づいたら迷子になってるやつ
対策を練るには、まずは自分がチームプレーを苦手としている自覚をしましょう。
苦手と自覚すれば、行動が謙虚になり客観視できるようになります。
独断先行を極力避けて、心配しすぎに思えるくらいに周りに相談しながら物事を進めていくとちょうど良い感じになれます。
もしそれが難しいと感じるならば、組織の中で遊撃的に動けるポジションに付くことをお勧めします。
ADHDの衝動性に由来する行動力や決定力は非常に優れています。
なので逆の発想として、ある程度の自由行動を許されるように信頼を積み上げていきましょう。
それでもあなたの特性が理解されずチームプレーを強制され続けるのならば、諦めるか環境を変える(転職や部署異動)努力をしてもいいかもしれません。

自分を環境に合わせるのではなく、環境を自分に合わせる作戦ですね
③重要なことを独断で決めて動いてしまう
これも②の協調が苦手と連動するのですが、ADHDではつい独断で動きたくなる傾向があります。

まあ衝動性やろうな
「あれがやりたい、これがやりたい」と思ったなら、例え人に嗜められたところでやってしまいます。

やってみなけりゃ分からないだろ理論です
その経験を繰り返したADHDの人の中では「相談=ムダ」という図式ができあがり、結果として独断専行人間になっていくと思われます。
しかしその独断専行のリスクは別の視点から考える必要があります。
なぜなら、その行動の結果起きた失敗や不利益は全て自分に降りかかってくるからです。
もし相談しながら動いていた実績があれば、プロジェクトが失敗したり損失を出してもその責任は相談者数+自分で割り算できます。

サラリーマンとしての処世術やな
つまり周囲に相談するということは、あなたの身を守ることなのです。
だから重要な決断であればあるほど、二重三重にも周囲に確認を取る癖を付けましょう。
もし、どうしても独断で動きたい人は起業することをおすすめします。

サラリーマンだと独断専行のリスクがリターンと見合いませんからね
これは嫌味でもなんでもなく、ADHDの特性が起業家に向いているからです。
衝動性に基づく速攻力・行動力・決定力は組織のトップやフリーランスで一番力を発揮できます。
相談の連続で疲れてしまうならば、違う生き方を探してみてもいいかもしれませんよ。
そんなADHDに向いている職業・向いていない職業が知りたい方はこちらの記事をお読みください。
仕事外の生活で独断を咎められるのであれば、めちゃくちゃに力と知識と実績を付けて黙らせましょう。
④相手の話を遮って喋り出す
これは私だけかもしれませんが、普段から連想ゲームをしてるせいか話を1聞いたら有り得そうな10の続きが頭に浮かんできます。

んで脳内ではそれぞれの会話が速やかに終了します
だからもう予想できた会話は終わらせて、(脳内の会話の)続きをしようとするのが困ったところです。

そういうとこやぞ
相手からしたら順序立てて話をしようと思ってることから、いきなり会話が飛んだように感じます。
これではうまく会話のキャッチボールができないのは当たり前ですよね。
賢い人であれば、相手の話を最後まで聞く必要性を理解できるはずです。
相手の話を横取りしたくなったら、その時に心の中で1回深呼吸をしましょう。
会話において「最後までしっかり話せた」という満足感は、自分にとって大事なように相手にとっても重要なことです。
「自分ばかり会話の美味しいところを取っていてはいけない」と心に刻んでおいてください。
美味しいものは独り占めせずみんなでシェアしましょう。

自分が話したいことは半分以下に抑えましょう
⑤衝動買いが多い
衝動性に由来する衝動買いがコントロールできないことADHDではよく起きます。

「買う」と心の中で思ったならッ!その時スデに行動は終わっているんだッ!
実際になめくじも、100均に行ったら要らないものを山ほど買うので気持ちが痛いほど分かります。
このトラブルをイメージしやすい動画がありますので、参考にしてください。

なめくじはここまでひどくないです。多分1/3くらいの量になる…はず…
キャッシュレス時代にはやや難しいかもしれませんが、なるべく財布やカードを持たないというのは物理的な戦略として有効です。
あえてスマホに支払いアプリを入れないというのもいいかもしれません。
アプリやクレジットのポイントが付いてお得だったとしてもそれ以上に無駄遣いしていたら意味がありません。
もしあなたに十分信頼できる方がいればカード類を管理してもらうという手段もあります。
ちなみに衝動買いが抑えられない方は破産する危険性があるのでクレジットカードを絶対にリボ払いにしないでくださいね。

そもそもリボ払いは衝動買い関係なく使っちゃダメですけどね

リボ払い使ってる人は社会にカモられてることを自覚しよう
そして衝動的に何かを欲しくなった時は、ポチる前に「その商品を1年後にも使い続けている自分」を想像してみてください。
イメージが鮮明に浮かんでこなければそれは不必要なものです。
買うのは止めましょう。
⑥すぐにイライラしてしまう
衝動性に関連して感情のコントロールがしにくい場合は、すぐにイライラして人に当たってしまうことがあります。
イライラすること自体は仕方ありません。

イライラしたっていいじゃないか にんげんだもの|なめくじ
大事なのは、自分がイライラしやすい特性を持っているのを自覚すること。
自覚さえあれば、「あぁ今はADHDの特性で異常にイライラしているんだな」と客観視できるようになります。
アンガーマネジメント(怒りの管理)という言葉があります。
そのテクニックの一つに「怒りは6秒続かないから、一旦6秒待ってみる」というものがあります。
怒りは反射的なものなので難しいかもしれませんが、イライラしやすい人はぜひこのテクニックに挑戦してみてください。
ADHD・ADHD疑いの人の近くにいる方へ
ご家族・パートナー・同僚など近しい距離にADHDの人がいる方にお伝えしたいのは、ADHDという特性は治らないということです。
医学的診断を受けて専門家のカウンセリングや薬物療法によって改善することはありますが、完璧に治すことは難しいようです。

正直『治す』っていうのもあまり好きな表現ではありませんけどね

ADHDだからこそ強いところもあるからな
まずは本人が自身の性質・特性を知って受け入れること。
受け入れたら自分の短所と向き合えるようになりますから、そこから一緒にトラブル対策をしていければいいかなと思います。
周りの人は100%理解しようとするより、いっそ「そういう星の人なんだね」くらいに受け止めていただいた方が気が楽だと思います。
そこまで親しくはなくて(職場で顔合わせる程度など)、自分の性格とは合わなそうと思えば無理に近づく必要は無いと思います。
性格が合う合わないがあるように、ADHDと非ADHDにも相性があります。

以前の職場のちょっと神経質っぽい人とは最悪の相性でした
特に他人にも自分にも厳しいストイックな方は、お互いメチャクチャ相性悪いと思いますので不必要に近づかないことをおすすめします。

では次の記事でお会いしましょう!

またな
- ADHDとは注意欠陥・多動性障害
- 不注意優勢と多動・衝動優勢の2タイプが混在するイメージ
- 特性を治すことは不可能だがある程度のトラブル対策は可能
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