政治

【簡単解説】なぜ江田代表代行のNISA制度への課税発言は問題なのか?

昨日28日からTwitterで『NISA』が一時トレンド入りするなど、NISAに対する立憲民主党の江田代表代行の発言が問題視され話題になっています。

問題の発言が飛び出たのは衆院選投票日を間近に控える2021年10月28日にニュース番組内です。

番組内にて江田代表代行は「低所得者が積み立てている株式運用(NISAやつみたてNISA)に対しても金融課税(30%)の対象となる」旨の発言をしました。

NISAやつみたてNISA(以下NISA制度)を始めていない人や投資に興味がない人には、なぜNISAに課税するということが問題発言になるのかが分かりづらいかもしれません。

投資の基本知識やNISAとつみたてNISAの違いを含めて、江田代表代行の発言の問題点を分かりやすく解説していきます。

今回の問題発言の要点整理

①立憲民主党は今回(2021年)の衆院選で「『1億総中流社会』の復活」を政権公約に掲げている

②公約を実現する富の再分配のために高所得者の課税を強化する方針

③現在、株の取引による利益には20%が課税されているが、それを30%に引き上げたい

④番組出演者が低所得者によるNISA制度も30%課税引き上げの対象になるのかを質問

⑤江田代表代行が「対象となる」と明言

結論

NISA制度は、国民の投資(資産運用)を促すための国の施策であり、投資額が数十万単位の少額に限定されているなど低所得者の運用も考慮されています。

立憲民主党が公約を果たすためには高所得者から税収を強化し、その税金を低所得者に還元する施策を打つべきです。

それにも関わらずNISA制度に課税したらどちらかというと低所得者に強いダメージが入ります。

まして、NISA制度は非課税を前提として始まった国の施策なのにその根本をちゃぶ台返しするような発言をしてしまった。

以上が、江田代表代行の認識不足もしくは問題発言として捉えられたということです。

そもそもNISAやつみたてNISAってなんなの?

それぞれ2014年と2018年に始まった国の投資促進施策です。

NISA

最長5年、毎年120万円を上限枠として「投資による配当や売却の利益を非課税にしますからこの機会にどしどし投資してくださいね」という施策です。

これは専用の口座を開設して、全員が手動で投資します。

国からは特に投資する対象商品の制限はありません。

※2024年からはレバレッジ商品(後述)は対象外となります

投資は利益も生まれますが損失が生まれることもあります。

そこらへんは全て自己責任となります。

NISAとは?

つみたてNISA

最長20年、毎年40万円を上限枠として「同じく非課税にしますからこの機会に長期に投資を始めてくださいね」という施策です。

NISA同様に専用口座を開設して投資することは同じですが、投資対象商品にいくつかの満たさないといけない基準が設けられています。

これは、つみたてNISAが長期投資であり安定性、低リスク性が求められる運用であることが理由です。

厳密には全て自己責任ではありますが、詐欺のような商品を投資初心者が購入してしまわないようになるべく国が良質な商品を選んでいます。

つみたてNISAで投資したい場合は、届出されている商品の中から自分で1つ選ぶ必要があります。

商品を選べば、自分で修正しない限りは1ヶ月ごとに自動で投資され続けます。

つみたてNISAとは?

なんで国が投資なんて推奨しているの?

みなさんは投資(株、国債、REIT、外貨など)には危なっかしいイメージがあると思います。

実際にバブル崩壊やリーマンショックなど強烈な金融市場が大荒れしたときには、会社は倒産し個人投資家は破産や自殺に追い込まれることも数多くありました。

投資は危険。ある側面ではその認識は間違っていません。

しかし、本来は資本主義国家にとって投資が必要不可欠なものです。

投資があるからこそ資本主義が成り立っているとも言えます。

投資家が企業の株に投資をすれば、企業は資金に余裕ができて設備をより良くしたり新たな事業を立ち上げたりして成長します。

そして企業が成長したら、そこで生まれた余剰の利益の一部を株主に配当として還元して投資家が潤い、また次の投資へと向かっていきます。

こうしたプラスの連鎖が働くことで企業はさらなる成長を遂げ、そこで利益を得ることで従業員の賃金も上がり結果として日本経済が押し上げられていく訳です。

ですから、国としては投資活動を拡大させて日本の経済成長を進めたいという狙いがあるのです。

その投資活動を拡大させる施策のひとつがNISA制度ということです。

日本の投資の問題点

さて、投資は企業の成長を促してくれることは理解できたかと思います。

日本国内の投資に関してですが、次の2つの理由により投資家が少ないという問題を抱えています。

金融大国のアメリカなどの企業と比べると日本企業は最初からハンデ戦を強いられているのです。

金融教育を受けない

日本国民はまともな金融教育を受けません。

義務教育に「数学」や「道徳」はあっても「金融」なんてありませんでしたよね。

「政治・経済」というジャンルは勉強する人も多いですが、実態経済にはまったく影響しないおままごとみたいな知識しか入りません。

金融や投資の勉強をしなかったら、投資なんてしようと思いませんよね。

特にマスメディアはセンセーショナルな内容を流したいため投資の負の側面ばかり扱いますから、国民は余計に投資を避けるようになります。

貯蓄に対して安心感を持つ国民性

日本国民は非常に貯金・貯蓄を好む傾向にあります。

銀行預金やタンス預金ってやつですね。

銀行預金は多少なりとも企業には良い影響があるのですが投資ほどではありません。

ちなみに勘違いされている人も多いですが、貯蓄も損失リスクゼロの資産運用方法ではありません。

現在の超々低利息では貯蓄による利益はないことに加え、インフレしていった場合は相対的に資産価値が目減りするからです。

ビックマックが500円の世界とインフレして1000円の世界では、同じ100万円の資産でも価値が2倍違うことが分かりますよね。

NISA制度で投資するメリット

さて、投資の社会的なメリットはお話しましたが、今度は個人的なメリットについて考えていきましょう。

投資のメリットは配当金や売却益の利益です。

投資をして企業が成長したら、一部の利益を配当金として株主に還元してくれます。

また、株などを安いうちに買って高くなった時に売却すればその差額分は売却益として懐に入ってきます。

通常こういった利益には20%の課税がされますが、NISA制度は非課税というとても大きいメリットがあります。

いわば投資のボーナスステージのようなものですので、基本的には現在投資をしている人は必ずNISA制度も活用しています。

NISA制度は誰でも利用が可能ですが、どちらかというと所得の高くない人にとって有用な制度です。

例えば1億の資産運用をしている人にとって40万円の非課税利益は微々たるものですが、100万円の資産運用をしている人にはその非課税の恩恵を強く受けやすくなります。

特につみたてNISAは老後の資金問題にとって1つの解答となる施策ですので低所得者ほど活用すべき制度なのです。

NISA制度は危なくないの?

NISAは投資対象商品が限定されていませんので、国によるリスク管理はなされておらず収支結果は全て自己責任です。

投資先には色々な種類があり、レバレッジを効かせた投資商品はリスクが高くなります。

レバレッジを効かせたというのは自分の持ち金以上の投資をするハイリスクハイリターンの投資方法や商品です。

逆に言えば、レバレッジが効いていない商品や株を選択して投資すれば破産するような危険なリスクは避けられます。

2024年からの新NISA制度ではレバレッジが効いている銘柄や危なっかしいような銘柄は排除され、国が仕組みとして安全性を担保してくれます。

つみたてNISAは対象商品を現行の仕組みでも国の基準を満たしている安全性の高い商品に限定していますのでやはり安全性はある程度担保されています。

江田代表代行の問題発言を掘り下げてみる

立憲民主党の江田代表代行は「NISA制度についても課税の対象となる」旨を明言しました。

党公約として高所得者に課税して低所得者との経済格差を無くす方向で考えているのにも関わらずです。

NISA制度は先に述べたように低所得者に有利な制度ですから、これに課税することは党公約とは真逆の経済格差が広がる方向に進むことが容易に理解できます。

また、NISA制度は国が2014年から投資拡大を目指して中長期スパンで進めている施策です。

数多くの個人投資家がNISA制度をすでに活用している現状から完全にちゃぶ台返しをしたとして、その後始末はどうやってつけるんだという疑問も残ります。

以上を考えると、立憲民主党としての模範解答は本来「1億を超えるような高所得者の資産運用による利益には30%に課税を強化するが、NISA制度は現行通り課税対象外のままとする」となります。

なぜ、NISA制度に課税するという発言が出てきたのか。

その真意はわれわれ国民には不明です。

政治家それぞれに得意不得意の分野があるので、江田代表代行がNISA制度について誤解したまま発言した可能性ももちろんあり得ます。

ただ、発言者が野党第一党である立憲民主党の代表代行という重鎮であることが問題視されているということです。

敢えてなのか間違った認識のまま発言したのかはご本人にしか分かりませんが、どちらにせよ党のトップクラスがしていい発言内容ではないことは間違いありません。

終わりに

記事を全て読んでいただいてありがとうございます。

なぜ、江田代表代行の発言が問題とされ騒がれているのかがおおよそ掴めたかと思います。

NISA制度そのものの功罪は後の世で判断が下されるでしょうが、今回の問題発言はそれ以前での矛盾を含んだものです。

江田代表代行や立憲民主党は本日29日に釈明に追われて、NISA制度への課税強化は考えていないと表明しました。

今回は大丈夫そうですが、政治に無関心だと気づかない間に大切な資産を傷つけられ痛い目を見るかもしれません。

投資に関する知識をつけ、経済と密接に関わっている政治家や政党の動向にも注意する必要がありますね。

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なめくじ
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